山林の固定資産税はいくら?計算方法・免税点30万円・調べ方

更新日:10月2日
「相続した山の固定資産税がいくらになるのか不安」「山を持っているはずなのに納税通知が来ない。大丈夫なのか」——こうした疑問にお答えします。
先に答えをお伝えします。
固定資産税は「課税標準額×税率」で計算します。標準税率は1.4%ですが、税率は市町村の条例で確認しましょう。課税標準額は、評価額と異なる場合があります
同じ人が同じ市町村に所有する土地(山林以外の地目も含む)の課税標準額の合計が30万円未満なら、固定資産税は課税されません(免税点)。指定都市などでは区ごとに判定される場合もあります。納税通知が届かない理由は免税点だけではないため、課税されていないと決めつけず、所在地の市町村に確認しましょう
税額を確認するときは、管理にかかる費用や相続の手続きもあわせて把握しておきましょう。この記事では、税額の計算方法と調べ方、税金以外の保有の負担を解説します。
山林の固定資産税の計算方法
固定資産税は「課税標準額×税率(標準税率1.4%)」で計算します。税額を確認するときは、次の資料を見ましょう。
確認項目 | 主な確認資料 | 注意点 |
課税標準額 | 課税明細書 | 評価額と異なる場合がある |
税率 | 納税通知書、市町村の案内 | 標準税率は1.4%。市町村の条例で確認 |
免税点 | 名寄帳、市町村の窓口 | 同じ所有者・同じ市町村内の土地の課税標準額を合算(区単位の扱いなどは窓口で確認) |
計算例:課税標準額50万円の土地に税率1.4%を適用すると、年額は50万円×1.4%=7,000円です。これは仮の例で、実際には他の土地も含めた免税点の判定や、市町村の税率・課税の扱いを確認します。
同じ山林でも、所在地や利用状況、周辺の土地の状況などによって評価は異なります。具体的な評価方法は、市町村の担当窓口に確認しましょう。
地目によって税額はどう違うのか
固定資産税は、登記上の地目ではなく現況の地目で評価されます。「地目を山林に変えれば安くなる」という話がありますが、評価は現況で決まるため、登記だけを変えても税額が下がるとは限りません。
納税通知が来ないとき——免税点30万円と確認先
固定資産税には免税点があり、同じ人が同じ市町村内に所有する土地の課税標準額の合計が30万円未満なら課税されません。山林だけの評価額で判定するわけではありません。納税通知が届かない理由には、免税点のほか、共有の代表者あてに送付されている、住所が違うといった場合もあるため、所在地の市町村に確認しましょう。
相続のときは、次の点に注意しましょう。
課税されない土地は、課税明細書に記載されないことがあります。課税明細書だけでは、所有する土地をすべて把握できない場合があります
課税されない山林も相続財産です。相続登記は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ所有権を取得したことを知った日から3年以内の申請が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となることがあります。2024年4月1日より前の相続は、2027年3月31日と、知った日から3年のいずれか遅い日までです
所有する土地を確認するには、市町村で名寄帳を取得する方法があります。非課税の土地や共有の土地などが載るかは自治体によって異なるため、掲載の範囲を窓口で確認し、登記事項証明書などとも照合しましょう(詳細:名寄帳の取り方・見方)。
自分の山の評価額・税額を調べる3つの方法
課税明細書:納税通知書とあわせて送付されます(時期や方法は市町村によって異なります)。地番・地目・評価額・税額が一覧できます(見方:課税明細書と固定資産評価証明書の解説)
名寄帳:その市町村内に所有する不動産の一覧。免税点未満の土地も載る場合がありますが、掲載の範囲は自治体ごとに確認しましょう
固定資産評価証明書:市町村の窓口で取得。相続登記などの手続きで必要かは、提出先に確認しましょう
税金以外の保有の負担も確認する
山林の保有にかかる負担は、固定資産税だけではありません。
管理費用:草刈り・見回り・倒木への対応など。面積や樹木、道路との位置関係、委託の範囲によって異なるため、見積りで確認します
所有者責任:倒木や土砂で隣地・通行人に被害が出た場合、事故の原因や管理の状況などによっては、所有者が損害賠償責任を問われることがあります(詳細:山林の所有者責任)。税金がかからないことと、この責任の有無は別です
相続の負担:登記費用・手続きの手間が世代ごとに発生します
保有を続ける場合の費用と、処分する場合の費用や条件を比べて判断しましょう。
使う予定のない山林であれば、税額の確認と同時に「手放す選択肢」も一度比較しておくことをおすすめします。売却・国庫帰属・引き取りサービスなど7つの方法は山林の処分方法を徹底比較にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. 固定資産税を払っていない山林でも、相続登記は必要ですか?
A. 必要です。課税の有無と登記義務は別です。2024年4月から相続登記は義務化されており、免税点未満の山林も対象です。
Q. 山林の固定資産税を滞納するとどうなりますか?
A. 納税義務がある場合に納期限までに納めないと、督促を受け、延滞金が加算されることがあり、差押えの対象になることもあります。納付が難しい場合は、早めに市町村に相談しましょう。
Q. 山林を手放せば、固定資産税は払わなくてよくなりますか?
A. 固定資産税は、原則として毎年1月1日時点で登記簿または課税台帳に所有者として登録されている人に課税されます。年の途中で手放しても、その年度の納税義務はなくなりません。翌年度から課税されないかは、1月1日までに所有権移転登記が済んでいるかなどで判断されるため、登記の時期を確認しましょう。
Q. 別荘地の土地の税金が、面積の割に高い気がします。
A. 別荘地の区画は、現況の地目(原野・雑種地・宅地など)によって評価が異なります。課税明細書で現況の地目・評価額・課税標準額を確認しましょう。管理費は、税金とは別に管理契約で決まります。負担が重い場合の出口は別荘地の処分方法をご覧ください。
まとめ
山林の固定資産税は「課税標準額×税率」で計算し、同じ人が同じ市町村内に所有する土地の課税標準額の合計が30万円未満なら課税されません。課税されない山林は課税明細書に載らないことがあるため、名寄帳などで確認しましょう。税額とあわせて管理の負担も確認し、保有を続ける場合と手放す場合を比べて判断しましょう。
