山林を所有している場合に伴うリスクについて検討し、その対処法について学びましょう。まず、山林の所有とリスクの関係を理解することが重要です。所有者は、民法717条に基づいて、山林でトラブルが発生し周囲に損害を与えた場合に責任を負う可能性があります。ただし、通常の伐採や管理を行っていた場合、責任は低減されるかもしれません。しかし、これらの活動を怠っていた場合、責任を負わされる可能性は否定できません。
以下の3つの主要なリスクについて考慮することが重要です:
山火事リスク: 日本の山林では年間1,000件以上の火災が発生しており、延焼面積は年によって異なります。火災は周辺住民に避難勧告をもたらす可能性があります。
土砂崩れリスク: 土砂崩れは、近隣の住民に被害を与え、土砂やがれきの撤去費用や損害賠償を請求される可能性があります。この請求は、山林所有者の過失が認められた場合に限られます。
不法投棄リスク: 第三者による不法投棄が行われ、撤去の要望があった場合、所有者が処理を行うのが原則です。不法投棄は繰り返されることが多く、撤去費用はかなりの金額になる可能性があります。
さらに、以下の2つのリスクも考慮する必要があります:
害虫リスク: 大量の害虫が発生すると、周囲への拡散を防ぐために広範囲で伐採を行う必要があり、費用は所有者が負担する必要があります。
獣害リスク: シカやイノシシ、野ネズミなどが周りの田畑や住宅を荒らす可能性があり、周辺地域に多大な被害をもたらす可能性があります。
管理していない山林を放置することは、これらのリスクを高める主要な要因であり、「山火事・土砂崩れ・不法投棄」のような問題が発生すると、地元住民が多大な被害を受ける可能性があります。これらのトラブルは社会問題となりやすいため、放置することは最大のリスクとなります。したがって、「山林を活用していない」「適切な管理をしていない」という人は、早めの売却をお勧めします。
リスクを回避するために山林を処分する方法はいくつかあります:
売却: 山林は住宅や一般の土地とは異なり、流動性が低いため、仲介会社に相談しても断られることが多いです。そのため、他の売却先を探す必要があります。
自治体や近隣に寄付する: 林業が盛んな地域で、立木の価値が高い場合、寄付先が見つかる可能性があります。しかし、立木に価値がない荒れた山林では、寄付を申し出ても断られる可能性があります。
国庫へ帰属する: 2023年4月に始まった「相続土地国庫帰属制度」を利用する方法もあります。ただし、この制度を利用するには多くの要件を満たし、それなりの費用がかかります。
引き取り業者に依頼する: 売却や寄付による処分が困難な山林は、負動産の引き取りを専門にする業者に依頼するのが良いでしょう。
不動産の処分にお困りの方は、当社団にお気軽にお問い合わせください。
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