原野の処分・売却・相続ガイド|“原野商法”物件も手放せる 2025年版
- 一般社団法人日本不動産管財
- 3 分前
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高度経済成長期に全国で販売された“原野商法”の土地や、開発予定が頓挫したままの山林・原野──。「所在が分からない」「草木が生い茂り境界が不明」「固定資産税だけ払い続けている」など、 原野の処分相談 は年々増加しています。
本記事では “原野”の処分でお困りの方が最終的な出口を見つけられるよう、
相場感
売却・譲渡ルート
相続手続き
国庫帰属制度や有料引取 を網羅的に解説します。
1. 原野とは?|山林・雑種地との違い
地目 | 概要 | 主な用途 | 課税区分 |
原野 | 耕作・建築利用のない荒れ地 | なし | 土地のみ固定資産税 |
山林 | 立木がある森林 | 林業・保安林 | 土地+立木評価 |
雑種地 | どの地目にも当てはまらない土地 | 駐車場・資材置場 | 用途により課税変動 |
Point:地目は登記簿に記載。実際の状況が変わっても自動で書き換わらないため、現況調査が必須です。
2. 原野が“負動産”化する4つの理由
インフラ未整備:道路・上下水道なしで利用価値が低い
境界不明:測量費が高額(30〜100万円)
買い手が限定的:用途がないため市場ニーズが低迷
維持費が続く:固定資産税と草刈り費用、放置リスク
3. 原野の売却相場と評価方法
評価要素 | 目安 | 解説 |
固定資産評価額 | 1㎡あたり数円〜数十円 | 市町村が公示。取引価格はこれを下回る例も多い |
近隣取引事例 | 直近10年で0〜数件 | 国土交通省の取引価格情報検索で確認 |
立木価値 | ほぼゼロ | 原野は植林されていない場合が多い |
参考値:原野商法物件(北海道・岐阜等)では 1筆1,000㎡で 1万円以下 の買取事例が多数。
4. 原野を処分する5つの方法
No. | 方法 | 概要 | 成功率 | 費用負担 |
① | 隣接地主へ無償譲渡 | 買い増し需要があれば早い | ★★★ | 登記費用のみ |
② | ネットオークション/マッチング | 低価格で投資家へ販売 | ★★ | 出品手数料+測量図要 |
③ | 山林・原野専門の買取業者 | 名義変更まで一括 | ★★★★ | 0〜数十万円で買取or手数料 |
④ | 相続土地国庫帰属制度 | 国へ帰属(管理費なしが条件) | ★ | 原野でも道路負担金等があれば不可 |
⑤ | 有料引取サービス | 完全放棄できる最終手段 | ★★★★★ | 目安50〜150万円+登記費用 |
5. 相続した原野の手続きフロー
所在地・地番特定(公図・Googleマップ)
法定相続人の確定(戸籍収集)
相続登記(義務化) ※未了通知に注意
評価証明書取得(税額・面積把握)
処分ルート選定(上記①〜⑤)
期限:2024年施行の登記義務化により、相続発生から3年以内に相続登記+名義変更が必要。過料リスクに注意。
6. 売れない場合の“出口”~有料引取の活用
測量・境界確定不要でOK のサービスもあり
登記手続き・管理組合対応をワンストップ
費用は地形・面積・アクセス次第(無料査定が目安)
7. よくある質問(FAQ)
Q:原野商法で買った土地は価値ゼロ?
A:場所によります。アクセス良好・観光需要があるエリアは数十万円で取引される例もあります。
Q:固定資産税が未納でも売却できる?
A:可能ですが、滞納分を清算してから名義変更が一般的。
Q:境界が不明でも国庫帰属制度に申請できる?
A:筆界未確定だと却下対象。測量と隣接者同意が必要です。
まとめ|原野は“情報整理”と“出口戦略”がカギ
所在地・地番・面積 をまず把握
需要がなければ 買取or有料引取 が実現性が高い
相続登記義務化で放置リスクが拡大—早めの相談がコスト削減