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【2026年最新】相続土地国庫帰属制度とは?要件・費用・デメリットを徹底解説|審査に落ちた土地の対処法まで

  • 執筆者の写真: 一般社団法人日本不動産管財
    一般社団法人日本不動産管財
  • 2025年12月29日
  • 読了時間: 7分

更新日:1月5日

「遠い親戚から山林を相続したが、使い道がない」

「固定資産税だけ払い続けている“負動産”を手放したい」

「子供たちに、管理できない土地を残したくない」

こうした悩みを解決するために、2023年(令和5年)4月からスタートしたのが「相続土地国庫帰属制度」です。これは、相続した不要な土地を国が引き取ってくれるという画期的な制度として注目されています。

しかし、実際に申請を検討し始めると「要件が厳しすぎて申請できない」「思ったよりも費用がかかる」という壁に当たり、断念するケースが後を絶ちません。

この記事では、不動産処分のプロフェッショナルである一般社団法人日本不動産管財が、相続土地国庫帰属制度の「仕組み・費用・却下される条件」をどこよりもわかりやすく解説します。

また、国に引き取りを断られたり、制度が利用できなかったりした場合の「現実的な解決策」についてもあわせてご紹介します。



1. 相続土地国庫帰属制度とは?仕組みを解説

相続土地国庫帰属制度とは、相続や遺贈によって取得した「利用予定のない土地」を、一定の要件を満たし、負担金を納めることを条件に、国が引き取ってくれる制度です。

これまでは、土地の所有権を放棄することは民法上難しく、一度相続してしまうと「売れない・貸せない土地」であっても、固定資産税や管理責任を永遠に負い続ける必要がありました。この制度により、条件付きではありますが、国へ土地を返す道が開かれたのです。


制度ができた背景

背景にあるのは「所有者不明土地問題」です。

管理されない荒廃した土地が全国で増加し、周辺環境の悪化や公共事業の阻害要因となっています。これらを防ぐために、所有者が土地を手放せる受け皿として国がこの制度を創設しました。



2. 誰が利用できる?申請できる人の条件

この制度を利用できるのは、原則として「相続や遺贈により土地を取得した人」です。

申請できるケース

  • 単独所有の場合

    相続や遺贈で土地を取得した本人が申請できます。

  • 共有所有の場合

    共有者の中に「相続」で持分を得た人が一人でもいれば、共有者全員で申請することが可能です(※売買で持分を取得した人も、相続人と一緒であれば申請できます)。


申請できないケース(対象外)

  • 売買生前贈与「のみ」で土地を取得した人

  • 法人が所有する土地

ここがポイント「自分で買った土地がいらないから国に返したい」という場合は、この制度は利用できません。あくまで「相続」がきっかけであることが前提です。


3. 【最重要】どんな土地なら引き取ってもらえる?(却下要件)

多くの人が誤解しているのが、「どんな土地でも国が引き取ってくれる」という点です。

実は、国は国民の税金で土地を管理することになるため、管理コストがかかる土地を極力避けるよう、非常に厳しい「引き取れない土地の要件(却下事由)」を定めています。

以下のいずれかに該当する場合、申請は却下、または不承認となります。


A. 門前払いとなる土地(申請すらできない土地)

これらの土地は、申請段階で即座に却下されます。

  1. 建物がある土地

    (古家、倉庫、廃屋などがある場合は、解体して更地にする必要があります)

  2. 担保権や使用収益権が設定されている土地

    (抵当権、借地権、地役権などがついている土地)

  3. 通路など他人の使用が予定されている土地

    (私道として使われている土地、墓地、境内地など)

  4. 土壌汚染がある土地

  5. 境界が明らかでない土地

    (隣地との境界確定が必須です)


B. 審査で不承認となる土地(管理が困難な土地)

申請はできても、実地調査などで「管理不適格」と判断される土地です。

  1. 一定の勾配・高さがある崖(がけ)を含む土地

    (管理に多額の費用や労力がかかるため)

  2. 工作物・車両・樹木などが残っている土地

    (放置車両、産業廃棄物、管理を阻害するほどの竹林など)

  3. 地下に除去が必要な埋設物がある土地

  4. 隣接する土地との争いがある土地

    (所有権を巡ってトラブルになっている土地)

  5. その他、通常の管理に過分な費用・労力がかかる土地

    (土砂崩れの危険がある土地など)

プロの視点:ここがハードルです特にネックになるのが「建物の解体」と「境界の確定」です。これらを自費で行うと数百万単位の費用がかかることがあり、「国にタダ同然で引き渡すために大金を払う」という本末転倒な状況になりかねません。


4. 費用はいくらかかる?(審査手数料と負担金)

「国に返すのだから無料だろう」と思われがちですが、この制度には2種類の費用がかかります。

① 審査手数料

土地1筆あたり14,000円の審査手数料がかかります。

※審査に落ちた場合でも返金されません。

② 負担金(10年分の標準管理費)

審査に合格した場合、国が土地を管理するための費用(10年分)を前払いする必要があります。これを「負担金」と呼びます。

負担金の目安表

地目(現状の種目)

面積の例

負担金の目安

宅地

面積問わず

20万円

宅地(住宅地など)

200㎡

約80万円

農地(市街地・集落)

500㎡

約50〜100万円超

田・畑(上記以外)

面積問わず

20万円

山林(森林)

3,000㎡

約30万円〜

原野・雑種地

面積問わず

20万円

※あくまで目安です。具体的な金額は法務局の自動計算シート等で確認が必要です。

※市街地の宅地や農地は、面積に応じて負担金が高額になる計算式が採用されています。



5. 申請から完了までの流れ

手続きは土地の所在地を管轄する法務局・地方法務局に対して行います。完了までには半年〜1年程度かかることが一般的です。

  1. 事前相談(予約制)

    法務局にて、提出書類や要件の確認を行います(任意ですが強く推奨されます)。

  2. 申請書類の作成・提出

    申請書と添付書類を用意し、手数料を納付して申請します。

  3. 書面審査・実地調査

    法務局の担当官が現地を確認し、要件を満たしているか審査します。

  4. 承認通知・負担金の納付

    承認された場合、通知が届きます。届いてから30日以内に負担金を納付します。

  5. 国庫帰属完了

    納付が確認された時点で、土地の所有権が国に移転します。



6. メリットとデメリットのまとめ

制度利用を迷っている方のために、メリットとデメリットを整理しました。

メリット

  • 「負動産」からの解放: 固定資産税や管理の手間から永久に解放されます。

  • トラブル回避: 不法投棄や倒木による近隣トラブルのリスクがなくなります。

  • 次世代への配慮: 子供や孫に不要な不動産を残さずに済みます。


デメリット

  • 準備費用が高額: 建物解体、測量(境界確定)の費用はすべて自己負担です。

  • 負担金が発生する: 最低でも20万円、土地によっては100万円近い納付が必要です。

  • 審査が厳しい: 山林や農地は「管理困難」として却下される可能性が高いです。

  • 手間と時間がかかる: 多くの書類収集と半年以上の審査期間が必要です。



7. 国庫帰属制度が利用できない・断られた場合は?

ここまでお読みいただき、「自分の土地は無理かもしれない…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

  • 「建物があって、解体費用が出せない」

  • 「隣人との境界確定が難航している」

  • 「山林の傾斜や樹木を理由に、国に断られた」

  • 「負担金や手数料を払う余裕がない」

このように、国の制度を利用できない場合でも、諦める必要はありません。

一般社団法人日本不動産管財にご相談ください。



まとめ:まずは専門家に無料相談を

相続土地国庫帰属制度は、要件に合致するきれいな更地であれば非常に有効な制度です。しかし、実際の相続不動産は「建物付き」「境界不明」「山林」など、制度の利用が難しいケースが大半であるのが現実です。

「自分の土地はこの制度を使えるの?」

「制度が使えない場合、どう処分すれば一番損がない?」

そう思われた方は、一人で悩まずに一般社団法人日本不動産管財の無料相談をご利用ください。

あなたの不動産にとって、経済的・精神的に最も負担の少ない「手放し方」をご提案いたします。


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