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農地(田畑)を処分したい方必見!7つの方法と手続きを徹底解説

  • 執筆者の写真: 一般社団法人日本不動産管財
    一般社団法人日本不動産管財
  • 2 日前
  • 読了時間: 11分

「親から相続した農地があるけど、自分では農業をする予定がない…」

「毎年の固定資産税や管理費用が負担になっている…」

「農地を手放したいけど、どうすればいいかわからない…」


このようなお悩みをお持ちではありませんか?

日本では高齢化や後継者不足により、使われなくなった農地(田畑)の処分に困っている方が年々増えています。しかし、農地は農地法によって厳しく規制されており、宅地のように自由に売却したり処分したりすることができません。

本記事では、農地を処分したい方に向けて、農地法の基礎知識から具体的な7つの処分方法、必要な手続き、費用、注意点まで、徹底的に解説します。


目次


1. 農地法とは?農地処分が難しい理由

農地法の目的

農地法は、日本の食料自給率を守り、農業生産力を維持するために制定された法律です。この法律により、農地の売買・賃貸・転用には厳しい制限が設けられています。

農地法の主な規制内容:

  • 農地法第3条:農地を農地のまま売買・賃貸する場合は農業委員会の許可が必要

  • 農地法第4条:所有者自身が農地を転用する場合は都道府県知事等の許可が必要

  • 農地法第5条:農地を転用する目的で売買・賃貸する場合は都道府県知事等の許可が必要

なぜ農地の処分は難しいのか

農地の処分が困難な理由は主に以下の3点です。

①買主が限定される

農地を農地のまま売却する場合、原則として農業従事者(農家)にしか売却できません。農業に従事していない一般の方は、農地を購入することができないのです。

②転用には許可が必要

農地を宅地や駐車場など別の用途に変更(転用)するには、農業委員会を通じて都道府県知事等の許可を得る必要があります。しかし、農地の区分によっては転用が原則認められない場合もあります。

③農地の区分による制限

農地は立地条件によって以下のように区分され、区分によって転用の可否が異なります。

農地区分

転用の可否

説明

農用地区域内農地(青地)

原則不可

農業振興地域内の農用地区域内にある農地

甲種農地

原則不可

市街化調整区域内の特に良好な営農条件の農地

第1種農地

原則不可

10ha以上の一団の農地、土地改良事業の対象地等

第2種農地

条件付きで可能

市街地化が見込まれる区域内の農地

第3種農地

原則許可

市街地の区域内または市街地化の傾向が著しい区域内の農地


2. 農地を処分する前に確認すべき3つのこと

農地を処分する方法を検討する前に、まず以下の3点を確認しましょう。

①農地の区分を確認する

所有している農地がどの区分に該当するかによって、取れる選択肢が大きく変わります。農地の区分は、農地のある市町村役場の農業委員会に問い合わせることで確認できます。

②農地の現況を確認する

登記簿上の地目が「田」「畑」であっても、実際の現況が異なる場合があります。

  • 長年の耕作放棄により山林化している

  • すでに建物が建っている

  • 駐車場や資材置き場として使用されている

このような場合は、「非農地証明」を取得して地目変更ができる可能性があります。

③農振除外が必要かどうか確認する

農用地区域内農地(青地)に指定されている場合、転用する前に「農振除外」の手続きが必要です。この手続きには6か月〜1年以上かかる場合があるため、早めに確認しておくことが重要です。



3. 農地を処分する7つの方法

農地を処分する方法は主に以下の7つがあります。それぞれの方法について、メリット・デメリットを含めて詳しく解説します。

方法①:農家に売却する

概要

農地を農地のまま、近隣の農家や農業法人に売却する方法です。農地法第3条の許可を受けて売買を行います。

メリット

  • 転用手続きが不要

  • 売却代金を得られる

  • 手続きが比較的シンプル

デメリット

  • 買主が農業従事者に限定される

  • 農地の需要が低い地域では買い手が見つかりにくい

  • 売却価格が低くなりがち


方法②:農地転用して売却する

概要

農地を宅地や駐車場などに転用した上で売却する方法です。農地法第5条の許可を受けて行います。

メリット

  • 買主が農業従事者に限定されない

  • 宅地として高く売れる可能性がある

デメリット

  • 農地区分によっては転用が認められない

  • 手続きに時間がかかる(2〜6か月程度)

  • 転用費用がかかる


方法③:農地バンク(農地中間管理機構)に貸し出す

概要

都道府県に設置されている農地中間管理機構(農地バンク)を通じて、農地を貸し出す方法です。

メリット

  • 公的機関が間に入るため安心

  • 借り手を自分で探す必要がない

  • 賃料収入を得られる

  • 契約期間終了後は農地が戻ってくる

  • 税制上の優遇措置を受けられる場合がある

デメリット

  • 農地を完全に手放すことはできない

  • 借り手が見つからない場合もある

  • 貸付期間は原則10年以上


方法④:相続土地国庫帰属制度を利用する

概要

2023年4月から開始された制度で、相続または遺贈により取得した土地を、一定の負担金を支払って国に引き取ってもらう方法です。

メリット

  • 土地を完全に手放すことができる

  • 国が引き取るため安心

  • 固定資産税などの負担から解放される

デメリット

  • 相続・遺贈で取得した土地に限られる

  • 審査手数料(1筆14,000円)と負担金(原則20万円〜)が必要

  • 要件を満たさない土地は引き取ってもらえない


方法⑤:相続放棄をする

概要

相続開始を知った日から3か月以内に、家庭裁判所に相続放棄を申述する方法です。

メリット

  • 農地を相続せずに済む

  • 手続き費用が比較的安い

デメリット

  • 農地だけを放棄することはできない(全財産の放棄が必要)

  • 他の相続財産(預貯金、不動産等)も放棄することになる

  • 期限が短い(3か月以内)

  • 一度放棄すると撤回できない


方法⑥:非農地証明を取得して地目変更する

概要

長年の耕作放棄などにより農地としての機能を失っている土地について、農業委員会から「非農地証明」を取得し、地目を山林や雑種地などに変更する方法です。

メリット

  • 農地法の規制から外れる

  • 地目変更後は自由に売買・転用が可能

デメリット

  • 現況が農地でない状態が必要

  • 農業委員会の審査がある

  • 違反転用と判断されると許可が下りない


方法⑦:寄付・無償譲渡する

概要

自治体、NPO法人、隣接する農家などに農地を寄付または無償で譲渡する方法です。

メリット

  • 固定資産税などの負担から解放される

  • 地域貢献につながる

デメリット

  • 受け入れてくれる相手を見つけるのが困難

  • 寄付を受け付けていない自治体が多い

  • 譲渡にも農地法の許可が必要



4. 農地転用(地目変更)の手続きと費用

農地転用の手続きの流れ

市街化区域内の農地の場合(届出)

市街化区域内にある農地を転用する場合は、農業委員会への届出のみで転用が可能です。許可申請は不要です。

市街化区域外の農地の場合(許可申請)

市街化区域外にある農地を転用する場合は、都道府県知事等の許可が必要です。手続きには1〜2か月程度かかります。

農地転用の費用

項目

費用目安

行政書士報酬

10万円〜30万円

土地改良区決済金

農地面積×単価(地域により異なる)

登記費用(司法書士報酬含む)

3万円〜5万円

その他実費

数千円〜数万円


5. 非農地証明の取得方法

非農地証明とは

非農地証明とは、登記簿上の地目が「田」「畑」であっても、現況が農地以外(山林、雑種地など)である土地について、農業委員会が「農地に該当しない」ことを証明する書類です。

非農地証明が取得できる土地の要件

  • 農地法施行(昭和27年10月21日)以前から農地以外の状態であった土地

  • 自然災害により農地への復元が困難な土地

  • 10年以上(地域により20年以上)の耕作放棄により山林化・原野化している土地

非農地証明の申請に必要な書類

書類名

説明

非農地証明願(申請書)

農業委員会で取得

土地の登記事項証明書

法務局で取得

公図の写し

法務局で取得

位置図・案内図

自作

現況写真

4方向から撮影

非農地化した経過を示す資料

航空写真、課税証明など

※土地家屋調査士に手続きを依頼することが可能です。



6. 農地中間管理機構(農地バンク)の活用

農地バンクとは

農地中間管理機構(通称:農地バンク)は、農地を貸したい人から農地を借り受け、農業を行いたい人に貸し付けることで、農地の集積・集約化を図る公的機関です。都道府県ごとに1つの機構が設置されています。

農地を貸したい方(出し手)のメリット

  • 公的機関なので安心:賃料は農地バンクを通じて確実に支払われる

  • 借り手を探す手間が省ける:機構が借り手とのマッチングを行う

  • 契約期間終了後は農地が戻る:契約どおりに返還される

  • 税制上の優遇措置:相続税・贈与税の納税猶予が継続される場合がある

  • 機構集積協力金の交付:条件を満たせば協力金が交付される

注意点

  • 貸付期間は原則10年以上(最低5年以上)

  • 遊休農地や再生困難な農地は借り受けてもらえない場合がある

  • 令和7年4月から、農地の貸し借りは原則として農地バンク経由に一本化された



7. 相続土地国庫帰属制度の活用

相続土地国庫帰属制度とは

2023年4月27日に施行された制度で、相続または遺贈(相続人への遺贈に限る)によって取得した土地を、一定の要件のもとで国に引き取ってもらえる制度です。

申請できない土地(却下要件)

  • 建物がある土地

  • 担保権や使用収益権が設定されている土地

  • 通路など他人の利用が予定されている土地

  • 土壌汚染されている土地

  • 境界が明らかでない土地

費用

項目

金額

審査手数料

土地1筆あたり14,000円

負担金(田・畑)

原則20万円

負担金(森林)

面積に応じて算定

専門家への報酬(依頼する場合)

10万円〜50万円程度


8. 農地を相続したときの手続き

農地を相続した場合、以下の2つの手続きが必要です。

①相続登記(法務局)

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続により農地を取得したことを知った日から3年以内に、法務局で相続登記を行う必要があります。

正当な理由なく期限内に登記を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

②農業委員会への届出

農地を相続した場合、相続したことを知った日から10か月以内に、農地の所在地を管轄する農業委員会に届出を行う必要があります。

届出を怠った場合も、10万円以下の過料が科される可能性があります。



9. よくある質問(FAQ)

Q1. 農地だけを相続放棄することはできますか?

A. いいえ、できません。相続放棄は「全ての相続財産」を放棄する手続きです。農地だけを選んで放棄することはできず、預貯金や不動産など他の財産も全て放棄することになります。

Q2. 相続土地国庫帰属制度は農地でも利用できますか?

A. はい、農地も対象となります。ただし、境界が明確であること、土壌汚染がないことなどの要件を満たしている必要があります。

Q3. 農地を宅地に転用するのにどのくらい時間がかかりますか?

A. 農地の区分や地域によって異なります。市街化区域内は届出のみで即日〜数日、市街化区域外は許可申請が必要で1〜2か月程度、農用地区域内は農振除外手続きが必要で6か月〜1年以上かかる場合があります。

Q4. 耕作放棄地を放置するとどうなりますか?

A. 雑草の繁茂により隣接農地に悪影響を与える、鳥獣被害の原因となる、農業委員会から指導・勧告を受ける、固定資産税が上がる場合がある(市街化区域内)などの問題が発生する可能性があります。



10. まとめ

本記事では、農地(田畑)を処分したい方に向けて、7つの処分方法と必要な手続きについて解説しました。

農地を処分する7つの方法:

  1. 農家に売却する - 農業従事者に農地のまま売却

  2. 農地転用して売却する - 宅地等に転用後に売却

  3. 農地バンクに貸し出す - 公的機関を通じて賃貸

  4. 相続土地国庫帰属制度を利用する - 国に引き取ってもらう

  5. 相続放棄をする - 相続自体を放棄

  6. 非農地証明を取得して地目変更する - 農地以外の地目に変更

  7. 寄付・無償譲渡する - 自治体や農家に無償で譲渡

農地の処分は、農地法による規制があるため、一般の土地に比べて複雑です。まずは農地の区分や現況を確認し、ご自身の状況に合った方法を選択することが重要です。


農地の処分でお困りの方へ

一般社団法人日本不動産管財では、山林・別荘地・原野など、一般の不動産会社では取り扱いが難しい土地のサポートを行っております。

ただし、地目または現況が田・畑の農地については、農地法の制限により、そのままの状態では対応することができません。

農地の処分をご検討の方は、以下のいずれかの方法をお試しください。

  1. 非農地証明の取得:長年の耕作放棄により山林化している場合は、非農地証明を取得して地目変更をしてから、改めてご相談ください。

  2. 農地転用の許可取得:農業委員会で農地転用の許可を取得し、地目変更をしてから、改めてご相談ください。

  3. 農地バンクの利用:農地中間管理機構(農地バンク)への貸し出しをご検討ください。

  4. 相続土地国庫帰属制度の利用:相続で取得した農地であれば、国に引き取ってもらえる可能性があります。相談窓口はこちらをクリック

地目変更後の土地や、山林・別荘地等については、当法人にてご相談を承っております。


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