別荘地の売却方法を徹底解説|売れない理由から処分方法・税金まで完全ガイド【2026年最新】
- 一般社団法人日本不動産管財

- 2025年12月30日
- 読了時間: 14分
更新日:1月5日
「別荘地を売却したいけれど、なかなか売れない…」「相続した別荘をどう処分すればいいかわからない」とお悩みではありませんか?
バブル期に数千万円で購入された別荘地が、現在では100万円以下でも売れないというケースが急増しています。軽井沢や那須などの人気エリアを除き、多くの別荘地が「負動産」として所有者を悩ませているのが現状です。
本記事では、別荘地が売れない理由から、7つの売却・処分方法、税金の注意点、そして2023年4月にスタートした相続土地国庫帰属制度まで、別荘地の売却に関するすべてを徹底解説します。
目次
別荘地が売れない5つの理由
別荘地が売れにくい理由は、通常の不動産とは大きく異なります。なぜ別荘地は売却が困難なのか、その5つの理由を解説します。
理由1:築年数が古く老朽化が進んでいる
日本で別荘ブームが起こったのは1970年代~1980年代後半のバブル期です。この時期に建てられた別荘は、現在すでに築40年~50年以上が経過しており、経年劣化が著しく進んでいます。
別荘は日常的に使用されないため、以下のような問題が発生しやすくなります。
換気不足による湿気・カビの発生
配管の錆び・水漏れ
屋根・外壁の劣化
シロアリ被害
電気設備の老朽化
購入してもすぐに使える状態ではなく、数百万円規模のリフォームが必要なケースが大半です。この修繕費用が買い手の購入意欲を大きく減退させています。
理由2:立地・アクセスが不便
別荘地は自然豊かな場所や観光地の近くに建てられていることが多く、これが魅力である一方、生活利便性の低さが売却の障壁となります。
最寄り駅から車で30分以上かかる
公共交通機関がほとんどない
スーパーや病院が遠い
冬季は積雪で道路が使えない
携帯電話の電波が入りにくいエリアもある
かつて賑わっていた観光地も現在では衰退し、周辺施設が閉鎖されているケースも少なくありません。
理由3:維持費・管理費・固定資産税が高い
別荘地を所有するには、住居とは別に以下のような費用が継続的に発生します。
費用項目 | 年間費用の目安 |
管理費(別荘地管理組合への支払い) | 3万円~20万円 |
固定資産税・都市計画税 | 5万円~30万円 |
住民税(居住割合に応じて) | 数千円~数万円 |
温泉使用料(温泉付きの場合) | 5万円~15万円 |
水道光熱費(基本料金) | 3万円~5万円 |
草刈り・除雪費用 | 5万円~10万円 |
これらを合計すると、年間20万円~80万円以上の維持費がかかることになります。使用していない別荘にこれだけの費用を支払い続けることになるため、購入希望者は二の足を踏んでしまいます。
理由4:別荘購入の需要が減少している
バブル期には「成功者のステータス」として別荘が人気を集めましたが、現在では需要が大幅に減少しています。
その背景には以下のような社会変化があります。
ライフスタイルの多様化(旅行・レジャーの選択肢増加)
海外旅行の一般化
経済的な余裕の減少
管理の手間を嫌う傾向
高齢化による利用頻度の低下
理由5:相続で取得したケースが増加している
別荘地の売却が難しくなっているもう一つの要因として、相続による取得の増加があります。
バブル期に購入した世代が高齢化し、その子供世代が別荘を相続するケースが増えています。しかし、子供世代にとっては「行く機会がない」「管理できない」「費用がかかるだけ」という認識が強く、売却を希望する人が急増しています。
この結果、売却物件の供給過多が発生し、買い手市場となって価格がさらに下落するという悪循環に陥っています。
別荘地を所有し続けるリスクと年間コスト
「売れないなら持っていればいい」と考える方もいますが、別荘地を所有し続けることには大きなリスクとコストが伴います。
50年間所有した場合のコストシミュレーション
別荘地を50年間所有し続けた場合、どれだけのコストがかかるのかシミュレーションしてみましょう。
【前提条件】
管理費:年間10万円
固定資産税:年間8万円
草刈り・最低限の維持費:年間5万円
合計:年間23万円
【50年間の累計コスト】 23万円 × 50年 = 1,150万円
さらに、建物の解体が必要になった場合は、200万円~500万円の解体費用が追加で発生します。
つまり、使わない別荘地を50年間持ち続けると、1,000万円以上のお金が消えていくことになります。
所有し続けることで発生するリスク
コスト以外にも、以下のようなリスクが存在します。
1. 不法投棄のリスク
管理が行き届いていない別荘地は、不法投棄の標的になりやすくなります。不法投棄されたゴミの処理費用は所有者が負担しなければなりません。
2. 不法侵入・不法占拠のリスク
長期間放置された別荘は、不法侵入者や不法占拠者に狙われる可能性があります。
3. 管理責任・賠償責任のリスク
建物の倒壊や樹木の落下などで第三者に損害を与えた場合、所有者が民法上の賠償責任を負います。
4. 特定空家に指定されるリスク
2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、管理不全の空き家は特定空家に指定される可能性があります。特定空家に指定されると、固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が外れ、税額が最大6倍に跳ね上がります。
5. 相続登記義務化への対応(2024年4月施行)
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。不動産を相続で取得した場合、3年以内に相続登記をしなければ、10万円以下の過料が科される可能性があります。
別荘地を売却する7つの方法
別荘地を手放すには、いくつかの方法があります。ここでは7つの売却・処分方法を、それぞれのメリット・デメリットとともに解説します。
方法1:不動産会社の仲介で売却する
最も一般的な売却方法です。不動産会社に依頼し、購入希望者を探してもらいます。
メリット
相場に近い価格で売却できる可能性がある
専門家がサポートしてくれる
デメリット
売れるまでに時間がかかる(1年以上かかることも)
仲介手数料が発生する(売却価格の3%+6万円+消費税または33万円)
別荘地を扱う不動産会社が少ない
ポイント 別荘地の売却は、別荘地専門の不動産会社や物件所在地の地元不動産会社に依頼することが重要です。都市部の不動産会社では対応できないケースが多くあります。
方法2:不動産買取業者に買い取ってもらう
不動産会社や買取業者に直接買い取ってもらう方法です。
メリット
すぐに現金化できる(最短1週間~1ヶ月)
仲介手数料が不要
確実に売却できる
デメリット
買取価格は相場の6~8割程度
買取を断られるケースもある
こんな方におすすめ
早く売却したい方
確実に手放したい方
売却活動に時間をかけられない方
方法3:管理会社・別荘地管理組合に相談する
別荘地の管理会社や管理組合が、物件を引き取ってくれる場合があります。
メリット
すでに関係性がある相手なので安心
手続きがスムーズ
デメリット
引き取りを断られるケースが多い
有償での引き取りになることが多い(管理費の数年分を支払うなど)
方法4:親族・知人に譲渡する
別荘地を無償で親族や知人に譲渡する方法です。
メリット
売却活動が不要
信頼できる相手に引き継げる
デメリット
受け取る側に贈与税がかかる(年間110万円超の場合)
引き受けてくれる人が見つからないことが多い
方法5:空き家バンクに登録する
自治体が運営する「空き家バンク」に登録し、購入希望者を募る方法です。
メリット
登録料が無料
自治体が仲介してくれる
デメリット
対象エリアが限られる
成約までに時間がかかる
方法6:自治体への寄付を検討する
不要な土地を自治体に寄付するという選択肢もあります。
メリット
維持費から解放される
デメリット
ほとんどの自治体で断られる
活用価値のある土地しか受け入れられない
現状では、自治体への寄付は非常にハードルが高いのが実情です。自治体にとっては寄付を受け入れると管理費用が発生するため、財政を圧迫する土地の寄付は断る傾向にあります。
方法7:専門の引取業者に依頼する
売却が困難な別荘地を専門に引き取る業者に依頼する方法です。
メリット
売れない物件でも引き取ってもらえる
確実に手放せる
将来の管理責任から解放される
デメリット
引取費用(処分費用)が発生する
重要な注意点 引取業者を選ぶ際は、信頼できる業者かどうかを慎重に見極めることが重要です。悪質な業者の中には、物件を引き取った後に管理を放棄し、近隣に迷惑をかけるケースもあります。
別荘売却時の税金と注意点
別荘を売却する際の税金について、マイホームとは異なる重要な注意点があります。
別荘売却で発生する税金
別荘を売却して利益(譲渡益)が出た場合、譲渡所得税と住民税が課税されます。
譲渡所得の計算方法
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)税率(所有期間によって異なる)
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
5年以下(短期譲渡所得) | 30.63% | 9% | 39.63% |
5年超(長期譲渡所得) | 15.315% | 5% | 20.315% |
※復興特別所得税(2.1%相当)を含む
【重要】別荘は3,000万円特別控除が使えない
マイホーム(居住用財産)を売却した場合は、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。しかし、別荘は居住用財産ではないため、この特例は適用されません。
また、以下の税制優遇措置も別荘には適用されません。
10年超所有軽減税率の特例(適用不可)
損益通算(売却損が出ても他の所得と相殺できない)
買換え特例(適用不可)
つまり、別荘を売却して利益が出た場合は、フルで課税されることになります。
別荘売却時の確定申告
別荘を売却して譲渡益が発生した場合は、翌年の確定申告が必要です。
確定申告に必要な書類
確定申告書(分離課税用)
譲渡所得の内訳書
売買契約書の写し
取得時の契約書・領収書(取得費の証明)
登記事項証明書
売却損が出た場合
別荘地の多くは購入価格を大きく下回る価格でしか売却できないため、譲渡損失が発生するケースがほとんどです。
この場合、譲渡所得税はかかりませんが、マイホームのように損益通算(給与所得など他の所得から控除)することはできません。
売れない別荘地の処分方法
通常の売却活動を行っても売れない場合、以下の処分方法を検討しましょう。
処分方法の比較表
処分方法 | 費用 | 時間 | 確実性 | おすすめ度 |
価格を大幅に下げて売却 | なし~仲介手数料 | 数ヶ月~数年 | 中 | ★★★☆☆ |
買取業者への売却 | なし | 1週間~1ヶ月 | 中 | ★★★☆☆ |
管理会社への相談 | 数十万円~ | 1~3ヶ月 | 低 | ★★☆☆☆ |
親族・知人への譲渡 | 贈与税(受贈者) | 1~3ヶ月 | 低 | ★★☆☆☆ |
空き家バンク登録 | なし | 数ヶ月~数年 | 低 | ★★★☆☆ |
相続土地国庫帰属制度 | 約20万円~ | 6ヶ月~1年 | 低 | ★☆☆☆☆ |
専門引取業者への依頼 | 数十万円~ | 1~3ヶ月 | 高 | ★★★★★ |
処分方法を選ぶポイント
1. 費用をかけたくない場合 → 価格を限界まで下げて売却活動を続ける、または空き家バンクを活用
2. とにかく早く手放したい場合 → 買取業者または専門引取業者への依頼
3. 相続で取得した土地の場合 → 相続土地国庫帰属制度の利用を検討
4. 確実に手放したい場合 → 専門の引取業者への依頼
相続土地国庫帰属制度とは
2023年4月27日にスタートした相続土地国庫帰属制度は、相続で取得した不要な土地を国に引き取ってもらえる画期的な制度です。
制度の概要
相続または遺贈によって土地を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、その土地を国庫に帰属(国に引き渡し)させることができる制度です。
申請できる人
相続または遺贈によって土地を取得した相続人
制度開始前(2023年4月27日以前)に相続した土地も対象
共有地の場合は共有者全員で申請が必要
注意:以下の人は申請できません
売買や贈与で土地を取得した人
法人
生前贈与を受けた相続人
引き取ってもらえない土地
以下のいずれかに該当する土地は、申請が却下または不承認となります。
【申請時に却下される土地】
建物がある土地
担保権や使用収益権が設定されている土地
他人の利用が予定されている土地(通路、墓地など)
土壌汚染されている土地
境界が明確でない土地
【審査で不承認となる土地】 6. 崖がある土地(勾配30度以上、高さ5m以上)
7. 工作物・車両・樹木などがある土地
8. 地下に除去困難な有体物がある土地
9. 隣地との争訟が必要な土地
10. 通常の管理に過分の費用・労力がかかる土地
費用
審査手数料
土地1筆あたり:14,000円(申請時に納付、不承認でも返金なし)
負担金 承認された場合、10年分の土地管理費用相当額を負担金として納付します。
宅地・田畑:面積に応じて算定
森林:面積に応じて算定
その他(原野・雑種地など):一律20万円
申請の流れ
法務局への事前相談(予約推奨)
承認申請書の提出
書類審査・実地調査(期間:約6ヶ月~1年)
承認通知の受領
負担金の納付(通知から30日以内)
国庫帰属完了
制度利用の注意点
別荘地の場合、以下の理由で利用が難しいケースがあります。
建物がある場合は、事前に解体が必要(解体費用:200万円~500万円)
境界確定が必要(測量費用:30万円~100万円)
別荘地管理組合との管理契約がある場合は困難
このように、相続土地国庫帰属制度は一定のハードルがあるため、すべての別荘地に適用できるわけではありません。
制度を利用すべきケースと他の方法を選ぶべきケース
制度利用がおすすめのケース
更地(建物なし)の土地
境界が明確な土地
費用をかけてでも確実に手放したい場合
他の方法を検討すべきケース
建物がある場合(解体費用が高額になる)
境界が不明確な場合(測量費用が高額になる)
管理契約がある
費用を抑えたい場合
別荘地の処分でお悩みの方は、まず専門家にご相談されることをお勧めします。一般社団法人日本不動産管財では、利用が難しい別荘地についても、無料調査を承っております。
別荘地売却を成功させる5つのポイント
別荘地の売却を成功させるために、押さえておくべき5つのポイントを解説します。
ポイント1:別荘地専門の不動産会社を選ぶ
別荘地の売却は、通常の住宅とは異なるノウハウが必要です。以下のような不動産会社を選びましょう。
別荘地・リゾート物件を専門に扱っている会社
物件所在地の地元で営業している会社
インターネットでの集客力がある会社
別荘地の売却実績が豊富な会社
大手の全国チェーン不動産会社は、別荘地エリアでの営業力が弱いケースが多いため注意が必要です。
ポイント2:適正価格を把握する
別荘地の売却において、価格設定は最も重要な要素です。
価格を調べる方法
不動産ポータルサイト(SUUMO、athome、LIFULL HOME'Sなど)で類似物件の価格を確認
複数の不動産会社に査定を依頼して比較
レインズ(不動産流通標準情報システム)の成約事例を確認
注意点 バブル期の購入価格は参考になりません。現在の市場価格は、購入時の10分の1以下になっているケースも珍しくありません。
ポイント3:建物・敷地の管理を継続する
売却活動中も、建物と敷地の管理は継続しましょう。
定期的な換気・通水
草刈り・樹木の剪定
室内の清掃
簡易的な修繕
購入希望者の内覧時に、管理が行き届いた状態を見せることで、売却成功の可能性が高まります。
ポイント4:最低売却価格を決めておく
売却活動を始める前に、「いくらまでなら売ってもよい」という最低売却価格を決めておきましょう。
これにより、以下のメリットがあります。
値下げ交渉があった際に迷わない
売却のタイミングを逃さない
精神的な負担が軽減される
ポイント5:複数の売却方法を並行して進める
一つの方法だけに頼るのではなく、複数の売却方法を同時に進めることをお勧めします。
例:
地元不動産会社への仲介依頼 + 空き家バンク登録
複数の買取業者への査定依頼
不動産会社への仲介依頼 + 引取業者への相談
こうすることで、売却の可能性を最大化できます。
まとめ
本記事では、別荘地の売却について、売れない理由から処分方法、税金の注意点まで詳しく解説してきました。
本記事のポイント
別荘地が売れない5つの理由
築年数の古さと老朽化
立地・アクセスの不便さ
高額な維持費・管理費・税金
別荘需要の減少
相続物件の増加
所有し続けるリスク
50年で1,000万円以上のコスト
不法投棄・不法侵入のリスク
管理責任・賠償責任
特定空家指定のリスク
相続登記義務化への対応(2024年4月施行)
売却・処分の7つの方法
不動産会社の仲介
買取業者への売却
管理会社への相談
親族・知人への譲渡
空き家バンク登録
相続土地国庫帰属制度
専門引取業者への依頼
税金の注意点
3,000万円特別控除は使えない
損益通算もできない
譲渡益が出た場合はフルで課税
相続土地国庫帰属制度
2023年4月スタートの新制度
建物がある土地は事前解体が必要
負担金:原則20万円~
審査期間:約6ヶ月~1年
別荘地の処分は早めの対応が重要です。
所有し続けるほど維持費がかさみ、建物の老朽化も進みます。相続登記の義務化も始まっており、問題を先送りにすることでお子様やお孫様に負担を残すことになりかねません。
売却が難しい別荘地でも、専門の引取業者に依頼することで確実に手放すことができます。
別荘地の処分でお悩みの方へ
一般社団法人日本不動産管財では、売却困難な別荘地・山林・原野などの不動産の無料調査を行っております。
「売れない別荘地をどうすればいいかわからない」「相続した土地を手放したい」とお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
