草刈り費用は1回いくら?業者相場から半額にする裏ワザまで
- 一般社団法人日本不動産管財
- 2023年12月26日
- 読了時間: 16分
更新日:2 日前
草刈りを業者に頼むと1回いくらかかるのか、どうすれば費用を抑えられるのか、お悩みではありませんか?この記事では、草刈り業者の最新相場から、費用を半額以下にする実践的な方法まで、実例を交えて徹底解説します。
この記事でわかること:
面積・状況別の具体的な費用相場
費用を50%以上削減する7つの方法
空き地・相続物件の草刈り義務と罰則
信頼できる業者の選び方
よくあるトラブルと対処法
目次
草刈り業者の費用相場
費用が高くなる5つの要因
草刈り費用を半額にする7つの実践方法
空き地・相続物件の草刈り義務と罰則
信頼できる業者の選び方
自分で草刈りする場合のコストと注意点
よくあるトラブル事例と対処法
FAQ:草刈りに関するよくある質問
1. 草刈り業者の費用相場
1-1. 面積別の料金相場
面積 | 料金相場 | 作業時間 |
30㎡未満(約10坪) | 8,000〜15,000円 | 1〜2時間 |
30〜50㎡(10〜15坪) | 12,000〜20,000円 | 2〜3時間 |
50〜100㎡(15〜30坪) | 15,000〜30,000円 | 3〜4時間 |
100〜200㎡(30〜60坪) | 25,000〜50,000円 | 4〜6時間 |
200〜300㎡(60〜90坪) | 40,000〜70,000円 | 6〜8時間 |
300〜500㎡(90〜150坪) | 60,000〜100,000円 | 1〜2日 |
500㎡〜1,000㎡ | 100,000〜180,000円 | 2〜3日 |
1,000㎡以上 | 150,000円〜(応相談) | 3日以上 |
重要: これは平地で草丈50cm程度の標準的な状況での相場です。条件によって大きく変動します。
1-2. 料金体系の種類
①面積単価方式
相場:100〜300円/㎡
広い土地に適している
明朗会計でわかりやすい
②時間単価方式
相場:3,000〜6,000円/時間
小規模な作業向き
作業時間が読めない場合に不利
③坪単価方式
相場:300〜1,000円/坪
地方で多い料金体系
1坪=約3.3㎡
④パック料金方式
年間契約で割引
定期的な草刈りが必要な場合にお得
1-3. 地域別の相場の違い
都市部(東京・大阪・名古屋など):
100㎡:20,000〜40,000円
人件費が高いため相場も高め
地方都市:
100㎡:15,000〜30,000円
都市部の70〜80%程度
山間部・過疎地:
100㎡:12,000〜25,000円
業者が少なく、遠方料金がかかる場合も
1-4. 季節による料金変動
繁忙期(5月〜9月):
通常料金の110〜130%
予約が取りにくい
特に6〜7月は超繁忙期
閑散期(11月〜3月):
通常料金の80〜90%
予約が取りやすい
交渉の余地あり
狙い目: 10月と4月は比較的安く、草も伸びていない時期なので効率的。
2. 費用が高くなる5つの要因
要因1:草の高さと密度
草丈 | 料金への影響 |
30cm以下 | 基本料金 |
30〜50cm | +10〜20% |
50〜100cm | +30〜50% |
100cm〜150cm | +50〜100% |
150cm以上 | +100〜200% |
実例: 50㎡の空き地で草丈が150cmに達していたケース
通常料金:15,000円
実際の請求:40,000円(+166%)
理由:刈払機では対応できず、草刈り鎌と手作業が必要
要因2:地形と傾斜
平地: 基本料金
傾斜地:
10度以下:+10〜20%
10〜20度:+30〜50%
20度以上:+50〜100%
段差・複雑な地形:
段差3ヶ所以上:+20〜40%
起伏が激しい:+30〜60%
要因3:障害物の多さ
追加料金が発生する障害物:
石や岩:+5,000〜20,000円
廃材や粗大ゴミ:+10,000〜50,000円
倒木:+20,000〜100,000円
樹木の根や切り株:+5,000〜30,000円
実例: 相続した空き地に廃材と古いタイヤが放置されていたケース
草刈り基本料金:25,000円
障害物撤去:35,000円
廃材処分費:40,000円
合計:100,000円
要因4:刈り草の処分方法
処分方法 | 追加費用 |
刈り倒しのみ(その場放置) | 0円(基本料金に含む) |
草を集めて山積み | +3,000〜10,000円 |
ゴミ袋に詰める | +5,000〜15,000円 |
運搬・処分込み | +10,000〜50,000円 |
注意:
100㎡で刈り草は軽トラック1〜2台分
処分費は容積と重量で決まる
自治体によっては受け入れ不可
要因5:アクセスの悪さ
追加費用が発生するケース:
道路に面していない:+10〜30%
重機が入れない:+20〜50%
駐車場がない:+5,000〜15,000円(駐車料金)
遠方(市街地から30km以上):+5,000〜20,000円
3. 草刈り費用を半額にする7つの実践方法
方法1:閑散期(冬季)に依頼する
削減効果:10〜30%
冬場(11月〜3月)は草刈り業者の閑散期です。
メリット:
料金交渉がしやすい
希望日時が通りやすい
業者の対応が丁寧
実例: 夏の見積もり:35,000円 冬の見積もり:24,000円 節約額:11,000円(31%削減)
さらに効果的: 「来年も継続で依頼する予定」と伝えると、さらに割引してもらえる可能性大。
方法2:複数業者から相見積もりを取る
削減効果:20〜40%
必ず3〜5社から見積もりを取りましょう。
見積もり比較の実例(100㎡の空き地):
A社:45,000円(処分費込み)
B社:28,000円(刈り倒しのみ)
C社:35,000円(処分費込み)
D社:52,000円(処分費込み)
E社:26,000円(刈り倒しのみ)
選択: E社に依頼し、刈り草処分は自分で実施 最終費用:26,000円(A社比42%削減)
見積もり取得のコツ:
オンライン一括見積もりサイトを活用
見積もりは無料の業者を選ぶ
詳細な状況(写真・面積・草丈)を伝える
方法3:シルバー人材センターを活用
削減効果:30〜50%
地域のシルバー人材センターは、民間業者より大幅に安い料金設定です。
料金相場:
時間単価:1,000〜1,500円
一般業者の50〜60%程度
100㎡の草刈りの比較:
一般業者:30,000円
シルバー人材:15,000円
節約額:15,000円(50%削減)
メリット:
料金が安い
丁寧な作業
地域貢献
デメリット:
予約が取りにくい(人気)
繁忙期は断られることも
重機が必要な大規模作業は不向き
利用方法: お住まいの市町村のシルバー人材センターに電話で問い合わせ
方法4:刈り草処分を自分で行う
削減効果:10,000〜50,000円
刈り草の処分費用は意外と高額です。
自分で処分する方法:
①自治体の可燃ゴミで出す
費用:ゴミ袋代のみ(500〜2,000円)
注意:乾燥させて容積を減らす
自治体により規定が異なる
②自治体の草木ゴミ収集を利用
費用:無料〜数千円
事前予約が必要な自治体も
③コンポスト化する
費用:コンポスト容器代(5,000〜15,000円)
長期的には堆肥として再利用可能
④焼却(野焼き)
原則禁止(廃棄物処理法違反)
農業・林業・風俗慣習の例外あり
近隣トラブルの原因に
罰則:5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
実例: 200㎡の空き地の刈り草処分
業者に依頼:35,000円
自分で乾燥→ゴミ袋20袋:2,000円
節約額:33,000円
方法5:定期契約で年間割引を受ける
削減効果:15〜30%
年間契約を結ぶと、1回あたりの単価が下がります。
年3回契約の比較:
都度依頼:30,000円×3回=90,000円
年間契約:25,000円×3回=75,000円
節約額:15,000円(17%削減)
さらにお得な契約例:
年4回以上:20〜30%割引
複数年契約:25〜35%割引
方法6:隣人と共同で依頼する
削減効果:10〜25%
隣接する土地の所有者と一緒に依頼すると、業者の移動コストが削減され割引してもらえます。
実例: 自分の土地100㎡+隣人の土地100㎡
個別依頼:30,000円×2=60,000円
共同依頼:50,000円(25,000円ずつ)
節約額:10,000円/人(17%削減)
方法7:自分で草刈りする
削減効果:50〜100%
最も費用を抑えられるのは自分で作業することです。
必要な初期投資:
道具 | 購入費用 | レンタル費用 |
刈払機(エンジン式) | 15,000〜40,000円 | 3,000〜5,000円/日 |
刈払機(電動式) | 8,000〜25,000円 | 2,000〜3,000円/日 |
草刈り鎌 | 1,000〜3,000円 | - |
防護メガネ | 500〜2,000円 | - |
作業着・手袋 | 3,000〜8,000円 | - |
燃料(混合ガソリン) | 1,500円/2L | - |
合計(購入) | 29,000〜80,000円 | 5,000〜8,000円/日 |
年間3回草刈りする場合の5年間コスト比較:
方法 | 5年間の総コスト |
業者に毎回依頼 | 450,000円(30,000円×15回) |
刈払機購入して自分で | 30,000円(購入)+燃料費22,500円=52,500円 |
節約額 | 397,500円 |
注意点:
100㎡以上は体力的にきつい
傾斜地や障害物がある場合は危険
刈払機の操作には慣れが必要
騒音で近隣トラブルの可能性
50㎡以下の小規模なら、手作業(草刈り鎌)も選択肢
費用:1,000〜3,000円のみ
静かで近隣に迷惑をかけない
時間はかかる(50㎡で3〜5時間)
4. 空き地・相続物件の草刈り義務と罰則
4-1. 法的義務について
民法717条(土地工作物責任): 土地の所有者は、その土地を適切に管理する責任があります。
適用される可能性があるケース:
雑草が道路に繁茂し通行を妨げる
害虫(ハチ、ダニ等)の発生源となる
火災の危険性がある
景観を著しく害する
4-2. 自治体の条例による規制
多くの自治体が「空き地の適正管理条例」を制定しています。
典型的な条例内容:
年に1〜2回以上の草刈り義務
草丈を50cm以下に保つ
近隣からの苦情があった場合の対応義務
違反した場合:
指導・勧告
命令(氏名公表の場合も)
行政代執行(強制的な草刈り)
費用請求+過料(罰金)
4-3. 行政代執行の実例
A市の事例(2024年):
3年間放置された500㎡の空き地
近隣住民から苦情が殺到
所有者への指導を3回実施→無視
行政代執行を実施
費用請求:180,000円
過料:50,000円
合計負担:230,000円
B町の事例(2023年):
相続した山林の入口部分(100㎡)を放置
ハチの巣ができて近隣住民が刺される
損害賠償請求:120万円
治療費+慰謝料を所有者が負担
重要: 草刈りを怠ると、通常の費用の2〜3倍以上の出費になる可能性があります。
4-4. 放置した場合のリスクまとめ
リスク | 発生確率 | 潜在的損失 |
行政代執行 | 中 | 10〜50万円 |
損害賠償請求 | 低〜中 | 10〜数百万円 |
火災による責任 | 低 | 数百〜数千万円 |
不法投棄の撤去命令 | 中 | 10〜100万円 |
近隣トラブル | 高 | 精神的負担大 |
結論: 年数万円の草刈り費用をケチると、将来的に数十万円〜数百万円の損失を被る可能性があります。
5. 信頼できる業者の選び方
5-1. 確認すべき5つのポイント
①損害賠償保険の加入
必須条件です。
作業中のトラブル例:
飛び石で隣家の窓ガラスを破損
誤って水道管を切断
車に傷をつけた
保険未加入の業者だと、トラブル時に所有者が負担する可能性があります。
②明確な見積もり
良い業者の見積もり:
作業内容が詳細に記載
追加費用の条件が明記
作業時間の目安
刈り草処分費の内訳
悪い業者の見積もり:
「一式」としか書いていない
口頭のみで書面なし
異常に安い(後から追加請求)
③作業実績と口コミ
確認方法:
Googleマップの口コミ
ホームページの施工事例
知人の紹介
地域の評判
警戒すべき業者:
口コミが全くない
住所・電話番号が不明確
ホームページがない(個人業者は除く)
④適切な装備と資格
確認すべき装備:
刈払機の状態(整備されているか)
安全装備(ヘルメット、防護服等)
廃材処理の許可証(産廃運搬許可)
あると安心な資格:
草刈り機取扱作業者
刈払機作業従事者安全衛生教育修了
産業廃棄物収集運搬許可
⑤迅速な対応
良い業者の特徴:
問い合わせに24時間以内に返信
見積もり訪問の日程調整が早い
作業日程の相談に柔軟
悪い業者の特徴:
連絡が取れない時間が長い
約束を守らない
見積もり後の連絡が遅い
5-2. 業者の種類とそれぞれの特徴
①大手造園業者
料金: 高め メリット: 保険完備、安心感、対応が丁寧 デメリット: 費用が高い、小規模作業は断られることも
②地元の植木屋・造園業者
料金: 中程度 メリット: 地域密着、継続依頼で割引 デメリット: 繁忙期は予約困難
③便利屋・何でも屋
料金: 中〜高 メリット: 他の作業もまとめて依頼可能 デメリット: 草刈りの専門性は低い、効率悪い
④個人の草刈り業者 料金: 安め メリット: 価格交渉しやすい、小回りが利く デメリット: 保険未加入が多い、品質にばらつき
⑤シルバー人材センター 料金: 安い メリット: 信頼性が高い、料金明確 デメリット: 大規模作業は不向き、予約が取りにくい
⑥農協・森林組合 料金: 中程度 メリット: 広い土地に対応、重機あり デメリット: 組合員優先、受付窓口が限定的
5-3. こんな業者は要注意!
危険な兆候:
飛び込み営業で契約を急かす
「今だけ特別価格」と強調
前払いを要求する
見積もりを出さない
連絡先が携帯電話のみ
極端に安い(相場の半額以下)
作業後の追加請求が多い
実際のトラブル事例: 「今なら半額キャンペーン」と訪問営業があり、30,000円で契約。作業後に「予想より草が多かった」と追加で50,000円を請求された。契約書には「状況により追加費用」の記載があった。
6. 自分で草刈りする場合のコストと注意点
6-1. 道具別の作業効率と費用
草刈り鎌(手作業)
適した規模: 30㎡以下 作業時間: 30㎡で3〜5時間 費用: 1,000〜3,000円 メリット: 安い、静か、細かい作業が可能 デメリット: 時間がかかる、体力的にきつい
電動刈払機(充電式)
適した規模: 30〜100㎡ 作業時間: 100㎡で2〜4時間 費用: 8,000〜25,000円 メリット: 静か、軽い、メンテナンス楽 デメリット: パワー不足、連続使用時間が短い
エンジン式刈払機
適した規模: 50㎡以上 作業時間: 100㎡で1〜2時間 費用: 15,000〜40,000円 メリット: パワフル、広範囲対応 デメリット: 重い、うるさい、燃料が必要
乗用草刈り機
適した規模: 500㎡以上 作業時間: 500㎡で1〜2時間 費用: 200,000〜500,000円(レンタル:15,000円/日) メリット: 超効率的、疲れない デメリット: 高額、保管場所必要、平地限定
6-2. レンタルvs購入の判断基準
レンタルが向いている:
年1〜2回しか使わない
保管場所がない
初期投資を抑えたい
色々な機種を試したい
購入が向いている:
年3回以上使う
保管場所がある
長期的にコストを抑えたい
損益分岐点: 刈払機レンタル:4,000円/日 年3回使用で5年間:60,000円 → 購入価格30,000円なら2年で元が取れる
6-3. 安全作業のための注意点
必須の安全装備:
防護メガネまたはフェイスガード:1,000〜3,000円
長袖・長ズボン(厚手):3,000〜5,000円
安全靴または長靴:3,000〜8,000円
手袋(革製推奨):1,000〜2,000円
耳栓またはイヤーマフ:500〜2,000円
合計:8,500〜20,000円
これらを「もったいない」と思わないでください。
実際の事故例:
飛び石が目に当たり失明寸前
刈払機の刃が足に当たり大けが(20針縫合)
草の中のスズメバチに刺されてアナフィラキシーショック
6-4. 作業効率を上げるコツ
時間帯:
早朝(6〜9時):涼しく、露で草が倒れやすい
夕方(16〜18時):日差しが弱い
避けるべき:10〜15時(熱中症リスク大)
作業順序:
障害物(石、枝等)を除去
境界線から刈り始める
外周から内側へ
高い草から先に刈る
効率化のテクニック:
草が湿っているときは刈りやすい
刃は定期的に研ぐ(切れ味維持)
無理な姿勢を避ける(腰痛防止)
30分ごとに休憩
6-5. 自分でやる場合の時間とコスト
100㎡の空き地を自分で草刈りする場合:
初回(道具購入):
刈払機:25,000円
安全装備:10,000円
混合ガソリン:1,500円
合計:36,500円
2回目以降:
混合ガソリン:1,500円
刃の交換:1,000円
合計:2,500円/回
作業時間: 2〜4時間/回
年3回×5年間のコスト: 初回:36,500円 2〜15回目:2,500円×14回=35,000円 5年間合計:71,500円
業者に依頼した場合: 30,000円×3回×5年=450,000円
節約額:378,500円(84%削減)
ただし、自分の労働時間(2〜4時間×15回=30〜60時間)を時給1,500円で換算すると45,000〜90,000円の「機会費用」がかかっていることになります。
7. よくあるトラブル事例と対処法
トラブル1:作業後の高額な追加請求
事例: 見積もり:25,000円 作業後の請求:65,000円 理由:「予想より草が多かった」
対処法:
契約前に「追加費用が発生する条件」を明記してもらう
「この見積もりが確定金額か」を確認
作業開始前に「追加費用が発生する場合は事前連絡」を約束してもらう
書面での契約が重要
トラブル2:隣地の植栽を誤って刈られた
事例: 草刈り作業中に境界を越えて隣地の低木を刈ってしまった。隣人から30万円の賠償請求。
対処法:
事前に境界を明示(目印を設置)
業者の損害賠償保険の確認
作業前の現場立会い
トラブル3:作業中の騒音でクレーム
事例: 早朝6時から刈払機を使用し、近隣住民から「うるさい」と苦情。警察沙汰に。
対処法:
騒音規制条例を確認(多くの自治体で8時〜19時まで)
事前に近隣へ挨拶
日曜・祝日は避けるか午後に実施
トラブル4:刈った草が隣地に飛散
事例: 強風の日に作業し、刈った草が隣地に大量に飛散。清掃費用2万円を請求された。
対処法:
風の弱い日を選ぶ
境界側は手作業で丁寧に
作業後の清掃を徹底
トラブル5:不法投棄物を発見
事例: 草刈り作業中に産業廃棄物(建材)を発見。業者から「撤去費用30万円」を見積もられた。
対処法:
事前に不法投棄がないか確認
発見したら写真を撮り警察に通報
行政の不法投棄対策課に相談
撤去命令が出る前に自主的に対処
トラブル6:作業の質が低い
事例: シルバー人材センターに依頼したが、刈り残しが多く、1ヶ月後に再び雑草が生い茂った。
対処法:
作業完了時に立会い確認
不満があればその場で指摘
写真を撮って記録
やり直しを依頼(契約内容次第)
8. FAQ:草刈りに関するよくある質問
Q1:草刈りの最適な時期・頻度は?
A: 年に2〜3回が標準です。
理想的なスケジュール:
1回目:5月下旬〜6月上旬
梅雨前に刈ることで夏の繁茂を抑制
2回目:8月中旬〜9月上旬
夏に伸びた草を刈り取る
3回目:10月下旬〜11月上旬
冬前の最終刈り、種を落とす前に
放置厳禁の時期:
6月〜8月(最も成長が早い)
この時期を逃すと草丈が1m以上に
Q2:草刈りをしないとどうなる?
A: 様々な問題が発生します。
1年放置した場合:
草丈:50cm〜150cm
ハチ、ダニ等の害虫繁殖
蛇が住み着く可能性
不法投棄の対象になりやすい
近隣からのクレーム
3年放置した場合:
灌木化(木質化)して通常の刈払機では刈れない
草刈り費用が通常の2〜3倍に
境界が不明確になる
行政指導の対象に
Q3:除草剤と草刈り、どちらが良い?
A: 状況により使い分けましょう。
除草剤のメリット:
作業が楽
根から枯らせる
コストが安い(100㎡で3,000〜8,000円)
除草剤のデメリット:
環境への影響
土壌への蓄積
ペットや子供への危険性
完全に枯れるまで2〜4週間
近隣への影響(散布時の飛散)
草刈りのメリット:
即効性がある
環境に優しい
選択的に刈れる
草刈りのデメリット:
コストが高い
根が残るのですぐ生える
労力が必要
推奨: 基本は草刈り、駐車場や砂利敷きの部分には除草剤を使い分ける。
Q4:防草シートは効果がありますか?
A: 適切に施工すれば非常に効果的です。
防草シートの費用:
材料費:300〜1,500円/㎡
施工費:500〜1,500円/㎡
合計:800〜3,000円/㎡
100㎡の場合: 80,000〜300,000円
メリット:
数年間草刈り不要(3〜10年)
長期的にはコスト削減
雑草がほぼ生えない
デメリット:
初期費用が高い
景観が悪い
破れると効果激減
コスト比較(5年間):
草刈り年3回:30,000円×3×5=450,000円
防草シート:150,000円(一度のみ)
節約額:300,000円
Q5:遠方の空き地の草刈りはどうすれば?
A: 地元業者に年間契約が最適です。
対策:
地元の業者と年間契約
年2〜3回の定期契約
作業後の写真報告を依頼
自治体の管理代行サービス
一部自治体で実施
シルバー人材センター経由
管理会社に委託
不動産管理会社
空き家管理サービス
費用:3,000〜10,000円/月+草刈り実費
隣地所有者に依頼
謝礼を払って管理してもらう
相互協力関係を構築
Q6:草刈り後の土地活用方法は?
A: 状況に応じて様々な選択肢があります。
短期的活用:
月極駐車場:月10,000〜30,000円/台
コインパーキング:初期費用0円、収益分配
資材置き場として貸す:月30,000〜100,000円
長期的活用:
アパート・マンション建設
戸建て分譲
太陽光発電:300〜500万円/10年間
手放す選択肢:
売却
寄付(自治体・国)
隣地所有者に譲渡
維持費がかさむなら、早めの活用・処分を検討しましょう。
Q7:草刈り費用は確定申告で経費にできる?
A: 用途によります。
経費にできる場合:
賃貸経営している土地:経費計上可能
事業で使用している土地:経費計上可能
駐車場として貸している:経費計上可能
経費にできない場合:
自宅の庭
自己使用の別荘地
何も使っていない空き地(資産管理費用として不可)
税理士に相談することをお勧めします。
Q8:相続した土地の草刈り義務はある?
A: 相続した時点で所有者責任が発生します。
法的義務:
民法717条(土地工作物責任)
自治体の空き地管理条例
近隣への配慮義務
対応が必要なケース:
近隣から苦情が来た
自治体から指導があった
道路に草が伸びている
害虫が発生している
相続放棄も検討: 維持費が収益を上回る場合、相続放棄(3ヶ月以内)も選択肢の一つです。
まとめ:賢い草刈り費用の抑え方
基本的な相場
100㎡(約30坪)の平地:
繁忙期(夏):25,000〜35,000円
閑散期(冬):18,000〜28,000円
費用を半額にする戦略
最も効果的な組み合わせ:
冬場に依頼(10〜30%削減)
シルバー人材センター利用(30〜50%削減)
刈り草処分は自分で(10,000〜50,000円削減)
複数社見積もり(10〜20%削減)
実例: 夏の一般業者:40,000円 ↓ 冬のシルバー人材+刈り草自己処分:15,000円 削減率:62.5%
年間スケジュールの提案
年3回プラン(標準):
6月上旬:25,000円
9月上旬:25,000円
11月上旬:20,000円(閑散期割引)
年間合計:70,000円
年2回プラン(最低限):
6月中旬:25,000円
10月下旬:20,000円(閑散期割引)
年間合計:45,000円
長期的な対策
5年以上保有する予定なら:
年間契約で15〜30%削減
防草シート施工を検討(初期費用高いが長期的には削減)
土地活用で収益化(駐車場等)
売却・寄付の検討(維持費が負担なら)
最も重要なこと
草刈りを怠ると:
行政代執行で通常の2〜3倍の費用
損害賠償請求で数十万円〜数百万円
近隣トラブルで精神的負担
年数万円の草刈り費用は「必要経費」と考え、適切に管理しましょう。