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執筆者の写真一般社団法人日本不動産管財

山林の固定資産税はどうなる?評価額の調べ方・計算方法・非課税条件まで総まとめ

近年、山林を相続したり、資産として保有するケースが増えている中で、「山林には固定資産税がこないのでは?」といった疑問を耳にすることもあります。しかし、実際には山林も不動産の一種であり、一定の評価額があれば固定資産税の課税対象となります。ただし、その評価額が低いために、結果として税負担がごくわずか、あるいは評価額が極めて低いために事実上「固定資産税ゼロ」に近い状態になることは珍しくありません。


1. 山林に固定資産税はかかるのか?

固定資産税は土地・家屋・償却資産に対して課される地方税で、基本的には山林も土地扱いです。しかし、山林は市街地の宅地や商業地よりはるかに地価が安く、結果的に評価額が低くなります。そのため「固定資産税がこない」と誤解されることがあるものの、実際には「納税通知書が届かないほどの非課税」ではなく、「評価額が低すぎて税負担が非常に小さい」だけの場合が多いです。また、山林がそもそも登記されておらず、行政側の把握が不十分な場合、通知が遅れる・届かないケースも稀にあります。


2. なぜ山林は安い・かからないといわれるのか?

山林は宅地開発が難しく、取引事例が少ないため、固定資産税評価額が低くなりがちです。また、特定の条件下では非課税に近い扱いになったり、林業振興を目的とした補助や特例措置が適用されることも考えられます。ただし、完全な「非課税」や「固定資産税ゼロ」となる制度は原則として存在しないため、正確な評価額を市町村に確認しましょう。


3. 山林固定資産税の計算方法・評価額算出

固定資産税は「固定資産税評価額 × 標準税率(1.4%程度)」で計算されます。山林の評価額は、市町村が定める固定資産税評価基準に基づいて査定され、宅地や農地よりも低くなることが一般的です。また、地価公示価格や路線価との整合性はあるものの、必ずしも同額ではありません。山林は売買実例が少なく、地形・立地・樹種など多面的な要素から総合的に評価されます。


4. 実際いくらかかるのか?

例えば、評価額10万円の山林があるとします。標準税率1.4%であれば、年間の固定資産税は1,400円程度です。山林の場合、評価額がさらに低いケースも多く、年間数百円、あるいは100円未満になる事例もあります。こうした低額負担が「ほとんど固定資産税がかからない」という印象を与える要因です。


5. 評価額の調べ方

山林の固定資産税評価額は、市町村の税務課に問い合わせれば「固定資産税評価証明書」を取得することができます。取得には手数料がかかりますが、正確な評価額を知るためには有効な手段です。また、不動産鑑定士や地元の不動産会社へ相談したり、国土交通省の地価公示サイトで近傍の地価情報をチェックすることで、大まかな相場を把握することも可能です。


6. 山林固定資産税が安い地域・条件

過疎地や中山間地域にある山林は、特に評価額が低くなりがちです。また、自治体によっては林業の振興を目的として固定資産税を軽減する特例措置が存在する場合もあります。こうした条件を把握し、適用可能であればコスト面で有利になります。


7. 非課税や固定資産税がゼロになるか?

原則として、山林も課税対象から外れることはほとんどありません。しかし、実務上、評価額が極めて低いため、実質的にゼロに近い水準の納付額となるケースは存在します。また、固定資産税の納税通知書が来ない場合は、土地の登記や評価が未確定、あるいは自治体の事務手続き上の問題がある可能性があるため、速やかに市町村へ確認しましょう。


8. まとめ

山林の固定資産税は宅地に比べて大幅に低く、結果として「ほとんどかからない」「ゼロに近い」印象を与えることがよくあります。ただし、実態としては非課税制度があるわけではなく、あくまで評価額が低く抑えられているために生じる現象です。固定資産税評価額の算定方法や調べ方を理解し、もし山林を所有しているのであれば、市町村役場で正確な評価額を把握しましょう。また、地域特性や特例措置を活用することで、さらなるコストダウンも可能です。不動産資産として山林を有効活用する際には、こうした固定資産税の仕組みを十分理解しておくことが大切です。


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