top of page

土地を放置してはいけない理由|越境樹木の伐採が教えてくれる所有者の責任

  • 執筆者の写真: 一般社団法人日本不動産管財
    一般社団法人日本不動産管財
  • 4月25日
  • 読了時間: 2分

空き地や山林、誰も住まなくなった家。「しばらく放っておいても大丈夫だろう」と思っていませんか?

しかし、不動産を所有するということは、たとえ利用していなくても管理責任が発生します。とくに都市部や幹線道路沿いでは、放置したことで他人の権利や安全に影響を与えるケースも少なくありません。


■ 実例:越境樹木によるリスク

下の写真は、引き取り後の土地で実際に行われた「越境樹木の伐採工事」のビフォーアフターです。



Before(伐採前)
Before(伐採前)


After(伐採後)
After(伐採後)

放置された樹木の枝葉が歩道や道路へはみ出し、歩行者の安全や車両の通行を妨げていました。このような状態は、通行人との接触事故、電線トラブル、行政からの指導などにつながる重大なリスクです。



■ 所有者の「知らなかった」は通用しない

土地や建物の所有者は、民法第717条に基づき「土地の通常の管理を怠って第三者に損害を与えた場合、損害賠償責任を負う」ことになります。

また、越境樹木は「道路法第43条」にも関係し、違反した場合には刑事罰が科される可能性すらあります。



■ 管理を怠った場合の主なリスク

  • 他人の敷地や道路への越境(樹木・建物・ゴミ等)

  • 損害賠償請求や訴訟のリスク

  • 行政代執行や費用請求

  • 所有者不明土地として管理権限を喪失する可能性



■ 定期的な管理がトラブルを防ぐ

土地は「持っているだけ」で責任が生じます。年に1度でも現地を確認し、必要に応じて除草・伐採・清掃・境界確認などを行うことで、将来的なトラブルや余計な出費を防ぐことができます。



■ まとめ

「使っていない土地だから」と放置しておくことは、思わぬトラブルの火種となります。

土地は“資産”であると同時に、“責任”ある所有物です。管理が難しい場合には、専門業者や団体への相談・引き取りを含めた検討も重要です。



関連記事

すべて表示
土地の前所有者は責任を問われるのか?

熱海の土砂災害をもとに考える所有者責任 2021年7月、静岡県熱海市で発生した大規模な土石流災害は、土地の「前所有者」にまで民事・刑事の責任が及ぶかどうかという重要な法的問題を投げかけました。この記事では、事件の概要を整理した上で、土地をすでに手放した人でも責任を問われる可...

 
 
bottom of page