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公図から場所が不明な土地を特定する方法|取得・見方・地図の重ね合わせまで解説

執筆者の写真: 一般社団法人日本不動産管財
一般社団法人日本不動産管財
2023年7月20日
読了時間: 6分

更新日:10月2日

「相続した山林の地番は分かったが、公図を取っても現地のどこなのか分からない」——山林や原野の位置を調べるとき、公図と現地を照合する作業が必要になります。


公図は土地の位置関係を知る基本資料ですが、公図単体では現地を特定できないことが多いのが実情です。特に山林・原野の公図は明治時代の図面がベースになっていることがあり、形も位置も現況とずれています。


この記事では、公図の取得から、地図や航空写真と照合して土地の場所を調べる手順、公図だけでは分からない場合の確認先までを解説します。




公図とは——2種類あることをまず知る

法務局に備え付けられている土地の図面は、正確には2種類あります。どちらに当たるかで、位置特定の難易度が大きく変わります。


① 法14条地図(不動産登記法14条1項の地図) 国の地籍調査などに基づいて作られた、現地の筆界を復元できる図面です。位置を調べるときは、座標の有無・種類・精度と、地積測量図などの資料も確認します。


② 地図に準ずる図面(いわゆる旧公図) 14条地図が整備されるまでの代用図面で、多くは明治時代の地租改正時に作られた図面(旧土地台帳附属地図)が元になっています。土地のおおよその位置関係・並び順は分かりますが、形状・面積・距離の精度は低いと考えてください。山林・原野の大半はこちらで、縮尺も1/2500〜1/5000と粗いことがあります。


取得した図面のどちらに当たるかは、図面の分類欄(「地図」か「地図に準ずる図面」か)で確認できます。



公図の取得方法と費用

公図は誰でも、全国どこの土地のものでも取得できます。地番さえ分かれば委任状も不要です。


方法

費用

特徴

法務局の窓口・郵送(地図証明書)

500円/1筆(書面請求、2026年9月30日確認)

管轄外の法務局でも取得可

登記情報提供サービス(オンライン閲覧)

360円/1件(2026年9月30日確認)

即時PDF表示。位置調査ならこれで十分


地番がまだ分からない方は、先に固定資産税の課税明細書で地番を確認してください(参考:地番だけで山林の正確な位置を特定する方法)。


取得時のコツ:対象地番の公図1枚だけでなく、周辺の地番を含む隣接図面もまとめて取得してください。1枚の公図に写る範囲は狭く、後述する「動かない手がかり」が対象図面の外にあることが多いためです。



公図の見方——最低限ここだけ押さえる

地番と隣接する土地の配置が記載された公図の例

地番・水路・里道・隣接地の位置関係を示した公図の読み方の説明図
  • 地番:図面内の各区画に振られた番号。自分の土地をまず探します

  • 方位・縮尺:欄外に記載。旧公図は方位が現況とずれていることもあります

  • 道路・水路:地番のない細長い区画は、国有の道路(里道・赤道)や水路(青道)であることが多く、現地特定の最重要手がかりです

  • 隣接地番の並び:地番と区画のつながりを手がかりに、周辺の公図と照合します。分筆・合筆などがあるため、番号だけで位置を決めないようにしましょう。



公図から現地を特定する実務手順(4ステップ)

ステップ1:公図上の「動かない地物」を探す

道路・水路・河川・鉄道など、明治から現在まで位置が変わりにくいものを公図上でマークします。山林の場合、尾根や沢に沿った境界線、麓の道路との接し方が手がかりになります。


ステップ2:法務局地図の電子データを無料で使う

対象地の地番と周辺の道路・水路を航空写真風の背景に重ねた説明図

法務局備付地図の電子データ(XML形式)は2023年から無料で一般公開されています。対応するWebビューア(「法務局地図 ビューア」で検索)を使うと、地図や航空写真に重ねて表示できる場合があります。


公共座標のある地図データなら、航空写真上に区画を重ねて位置を調べる手がかりになります。任意座標の図面は、そのまま航空写真に重ならない場合があります。ビューアの対応範囲を確認し、表示された線だけで境界を確定しないでください。


ステップ3:座標の種類を確認する

筆界点の座標がある場合は、公共座標か任意座標かを確認します。公共座標は地図への表示に利用できますが、座標系の変換や測地系・精度の確認が必要です。スマートフォンのGPS位置だけで筆界を確定することはできません。現地で正確に復元する必要がある場合は、土地家屋調査士に相談してください。


ステップ4:現地で照合する

机上で位置の目星がついたら、現地では公図の「動かない地物」(道路との接点、水路、沢)を基準に歩いて確認します。山林では境界標が残っていないことが多いため、隣接地との植生の違い(スギ林と雑木林の境目など)や古い杭・石積みが境界の名残であることがあります。



公図と現況が合わない・それでも特定できない場合

旧公図は、図面全体が一定方向にずれている(集団的なずれ)、区画の形が現況とまったく違う、といったことが珍しくありません。公図で行き詰まったら、次の資料に当たります。


  • 森林計画図・林地台帳(市町村・都道府県):山林の場合、林班・小班単位の地図と所有者情報が整備されており、公図より現況に近いことがあります

  • 旧土地台帳・和紙公図(字限図)(法務局):分筆の経緯を遡ることで、現在の地番の由来が分かります

  • 過去の航空写真(国土地理院の空中写真閲覧サービス):造成・開拓当時の区画割りが写っていることがあります

  • 地元精通者への聞き取り:隣接所有者や森林組合が境界の慣行を知っていることがあります


資料を組み合わせても、現地の場所や境界を十分に確認できない場合があります。土地家屋調査士に、手元の資料と分かっていることを伝え、調査の可否・範囲・費用を確認しましょう。管理や処分を考えるときも、場所や境界で未確認の点を整理することが大切です。手放す方法の比較は「山林の処分方法7つの比較」にまとめています。



よくある質問(FAQ)

Q. 公図は誰でも取れますか?所有者でなくても?

 A. 取得できます。公図(地図証明書・登記情報)は公開資料のため、地番が分かれば誰でも、全国どの土地のものでも取得可能です。


Q. 公図のどこを見れば自分の土地の広さが分かりますか? 

A. 公図から正確な面積は分かりません。面積は登記事項証明書または課税明細書で確認してください。特に旧公図の区画の大きさは実際の面積と比例していないことがあります。


Q. 公図に道路がつながっていない土地(袋地)でした。

A. 公道への接続がないと、現地へ入る方法や売却時の利用条件が問題になります。ただし、公道に接していないことだけで国庫帰属制度の対象外とはなりません。通行を妨害されるなど、土地の利用に具体的な支障があるかを法務局本局で確認してください。


Q. 自分で調べる時間がありません。

A. 当社団では、処分困難な不動産についてお悩みのご相談者様が、まず現状と選択肢を把握できるよう、各種公的資料や不動産情報を基に初期調査を無料で行っております。判断材料を提示し、ご相談者様の意思決定を支援いたします。



まとめ

公図から場所を調べる手順は、①周辺を含む公図を取得 → ②地図データを航空写真などと照合 → ③座標の有無・種類を確認 → ④現地で道路や水路などと照合、です。旧公図などでは位置を十分に確認できないこともあるため、未確認の点を整理して土地家屋調査士などへ相談しましょう。

場所を調べた後、管理・処分を検討する場合

所在地・地番と、分かったこと/まだ確認できていないことを整理しておきましょう。利用予定のない原野は原野の処分・売却方法の比較、管理費のある分譲地は別荘地の処分方法と管理契約の確認点が参考になります。

複数筆のうち農地と山林などが混在する場合は、筆ごとに分けて確認してください。地目や現況が分からない土地については、分かる範囲の資料から確認を進めます。



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