山林売却の完全ガイド|売れない山を確実に処分する5つの方法
- 一般社団法人日本不動産管財
- 5月16日
- 読了時間: 6分
更新日:12 分前
はじめに|山林を売りたいあなたへ
「相続した山林を手放したい」「固定資産税の負担から解放されたい」「管理できない山林を処分したい」
そんな悩みを抱えているあなたへ。山林売却は確かに難しいですが、正しい方法を知れば必ず解決できます。
この記事では、山林売却の専門知識がない方でも、スムーズに山林を売却できる具体的な方法を、最新の情報とともに詳しく解説します。
目次
山林が売れない3つの理由と解決策
山林を確実に売却する5つの方法
山林売却の具体的な手続き(7ステップ)
山林売却にかかる費用と税金
2025年から使える新制度
よくある質問と回答
1. 山林が売れない3つの理由と解決策
理由1:需要が限定的
山林は一般的な宅地と比べて需要が少なく、全ての不動産会社が扱っているわけではありません。
解決策:山林専門の売却サービスを活用する
山林専門の売買サイト
森林組合への相談
地域密着型の不動産会社
理由2:価値の判断が困難
山林の価値は生えている樹木の種類や樹齢によって大きく異なり、木材として価値のある種類でも、樹齢によっては価値を失ってしまうことがあるため、適正な査定が難しいのです。
解決策:山林のプロによる査定を受ける
複数の専門業者から査定を取る
立木の価値も含めた総合評価を依頼
理由3:立地条件の制約
過疎地や交通が不便な場所では価格が低くなる傾向があります。
解決策:新たな需要層にアプローチ
キャンプ場としての活用を提案
太陽光発電用地としての可能性を探る
別荘用地としての魅力をアピール
2. 山林を確実に売却する5つの方法
方法1:山林専門のサービスを活用
山林のプロが運営するサービスでは、山林の現況や接道条件、立木の種類や年数、マーケットの市況まで考慮した上で、山林全体の価値を正確に査定します。
メリット:
山林売却の専門知識を持つプロが対応
全国の購入希望者とマッチング可能
立木の価値も含めた適正査定
方法2:地域の不動産会社に仲介を依頼
地元の不動産会社に心当たりがない場合は、地方の地域密着型の中小規模の不動産会社が多数参加している不動産一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
ポイント:
山林売買の実績がある会社を選ぶ
複数社から査定を取って比較する
方法3:森林組合に相談
地域の森林組合は山林の管理や売買に関する豊富な知識を持っています。
活用方法:
山林の評価や管理方法のアドバイス
購入希望者の紹介
伐採業者との仲介
方法4:相続土地国庫帰属制度を利用
2023年に施行された相続土地国庫帰属制度は、条件を満たせば不要な土地を国へ帰属させられる新しい仕組みです。
利用条件:
相続により取得した土地であること
建物がないこと
担保権等が設定されていないこと
境界が明確であること
方法5:山林引き取りサービスの活用
山林の売却が困難な場合、山林引き取りサービスを利用する方法もあります。
サービス内容:
有償での山林引き取り
手続きの代行
引き取り後の活用提案
3. 山林売却の具体的な手続き(7ステップ)
ステップ1:必要書類の準備
まずは対象となる山林の「登記簿謄本」もしくは「固定資産税の通知書」を用意します。
必要書類リスト:
登記簿謄本(法務局で取得)
固定資産税の通知書
公図・地積測量図
ステップ2:山林の現況調査
境界線の確認
立木の種類と樹齢の把握
接道状況の確認
法的制限の有無(保安林指定等)
ステップ3:査定依頼
複数の業者に査定を依頼し、比較検討します。
ステップ4:売却方法の決定
仲介売却
買取
入札方式
ステップ5:売買契約の締結
山林を売却する際に必要な手続きは一般的な不動産売却の手続きと同様です。
ステップ6:決済・引き渡し
売買代金の受領
必要書類の引き渡し
ステップ7:所有権移転登記
売却時の登記諸費用の目安は、1売買あたり約30,000~50,000円で、地域によっては不要の場合もあります。※別途司法書士報酬が発生10万円~
4. 山林売却にかかる費用と税金
売却時の費用
仲介手数料
山林の売却は宅地建物取引業法の規制の対象ではないので仲介手数料を規制する法律がありません。そのた宅建業法に基づいた目安は、
目安:
仲介の場合:30万円
代理販売の場合:60万円
その他の費用
印紙税:売買契約書に貼付
登記費用:3~5万円程度(※別途司法書士報酬が発生10万円~)
測量費用:必要な場合のみ
売却時の税金
譲渡所得税
山林を売却したことによって生じた所得を譲渡所得と言い、譲渡所得に対して所得税と住民税が課税されます。
計算式: 山林売却収入 -(売却費用 + 取得費)= 譲渡所得
山林所得の特例
山林所得には「長い期間をかけて木を育てる」という林業の経営スタイルに配慮した税制や特例が設けられており、5分5乗方式という特別な方式で所得税額を計算します。
5. 使える新制度と最新情報
相続土地国庫帰属制度の活用拡大
2023年から始まった制度ですが、現在、利用実績が増加しています。
活用のポイント:
審査期間:約6か月~1年
負担金:21万円~(山林の場合面積に応じて増額)
境界確定が必要
森林経営管理制度の充実
市町村が仲介役となり、山林の管理を林業経営者に委託できる制度が充実しています。
6. よくある質問と回答
Q1:山林の相場はどのくらい?
山林の売却相場は、一般的な土地とは異なり、需要や用途によって大きく変動します。立地や樹木の状況により、1坪あたり数百円から数万円まで幅があります。
Q2:境界が不明な場合はどうすればいい?
山林は面積が広く、道がないことが多いため、正確に測量するには費用が高額になってしまいますが、公簿売買という方法もあります。
Q3:保安林は売却できる?
保安林は水源の涵養機能の維持や土砂災害等防止など特定の公益目的を達成するために指定された森林となるため、立木の伐採制限、土地形質の変更制限があり、基本的に購入希望者がいません。
Q4:売却までどのくらい時間がかかる?
一般的に3か月~1年程度ですが、条件により大きく異なります。
Q5:固定資産税はどうなる?
山林も不動産の一種であり、一定の評価額があれば固定資産税の課税対象となりますが、評価額が低いために、結果として税負担がごくわずか、あるいは評価額が極めて低いために事実上「固定資産税ゼロ」に近い状態になることは珍しくありません。
まとめ|今すぐ行動を起こそう
山林売却は確かに簡単ではありませんが、適切な方法を選べば必ず解決できます。
今すぐできること:
まず登記簿謄本を取得して現状を把握
専門家に相談
売却が難しい場合は国庫帰属制度も検討
山林は放置すればするほど管理が困難になります。この記事を参考に、今すぐ第一歩を踏み出してください。