山林を売却する方法|相場・手続き・高く売るコツを徹底解説【2025年版】
- 一般社団法人日本不動産管財
- 13 時間前
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山林は住宅用地や畑とは異なり、立木の価値・林業需要・立地条件によって売却難易度が大きく変わります。「固定資産税と管理費だけが続く“負動産”を手放したい」「立木を活かして少しでも高く売りたい」――そんな方に向け、本記事では 山林売却の相場算定から売却先の選定、契約・税金までを網羅的にまとめました。
1. 山林を売却する前に知っておきたい基礎知識
チェック項目 | 概要 | ポイント |
所在地・地番 | 公図・登記簿で要確認 | 境界標が現地に残っているかが査定の出発点 |
地目・面積 | 山林・原野・雑種地など | 地目が「山林」でなくても立木価値があれば評価対象 |
立木の種類 | 杉・檜・広葉樹 | 樹齢30年以上の人工林は素材(丸太)評価が出やすい |
進入路 | 林道・私道・作業道の有無 | 大型トラックが入れるかで伐採コストが変動 |
Point:境界不明・進入路なしの山林は、買い手が限られるため早期処分なら買取業者への相談が現実的。
2. 山林売却の相場はどう決まる?
立木価格(素材生産量×木材市況)
土地価格(固定資産評価額+市場要因)
伐採搬出コスト(地形・距離・作業道整備)
例:杉人工林 1ha/樹齢40年/丸太単価12,000円/㎥立木量200㎥ → 2,400,000円搬出コスト▲1,100,000円概算買取額:約130万円
※市況は変動します。まずは林業会社や森林組合へ素材見積を依頼するのが近道。
3. 売却前の5大準備
境界確認・測量
登記名義の最新化(相続登記義務化に注意)
伐採届・森林経営計画の有無確認
立木の簡易査定(森林組合または林業会社)
固定資産税・森林環境税の未納チェック
4. 山林の主な売却先と特徴
売却先 | メリット | デメリット | 向くケース |
林業会社 | 立木評価で即現金化 | 搬出路がないと価格が下がる | 中〜大面積・人工林 |
隣接地主 | 交渉が早い | 価格は交渉力次第 | 小面積・境界明確 |
森林組合 | 公的色が強く安心 | 事業計画次第で時間要 | 地元林業活性で協力したい場合 |
山林専門買取業者 | 測量〜登記まで一括 | 買取価格は “早さ” 分ディスカウント | 進入路なし・相場より早期処分 |
ネットマッチングサイト | 全国の投資家にPR | 登録〜成約まで手間 | 立木+レジャー需要がある場合 |
5. 売却の手順(実務フロー)
情報整理:地番・面積・立木種類をリスト化
査定依頼:複数先(林業会社・買取業者)で相見積
条件交渉:価格・伐採時期・測量負担を明確化
売買契約:不動産売買契約書+立木売買契約書
所有権移転登記:司法書士手配/登録免許税納付
代金受領/引渡し
6. 売却時にかかる税金・費用
項目 | 概要 | 計算例(売却代金300万円) |
譲渡所得税 | 売却益×税率(山林は概算5%控除可) | 売却益200万円×20%=40万円 |
登録免許税 | 土地→固定資産評価額×1.5% | 評価額100万円→15,000円 |
測量費 | 土地家屋調査士に依頼 | 20万円〜50万円 |
仲介手数料 | 宅建業者利用時 | 成約価格×3%+6万円 +税 |
節税Tip:山林の立木は伐採して素材売却すると「山林所得」となり概算経費5%控除が使えるため、立木売却と土地売却を分けることで税負担を抑えられるケースがあります。
7. 高く売るための3つのポイント
境界・地形図を整備し、買い手の不安を解消
立木調査報告書で木材量を数値化
搬出路(作業道)の現況写真で伐採コストを下げるアピール
8. 売却が難しい場合の代替策
相続土地国庫帰属制度:条件を満たせば国が引取り
有料引取サービス:名義変更までワンストップ
寄付・無償譲渡:隣接地主やNPOへ
9. FAQ|よくある質問
Q:山林を売るのに宅地建物取引業者は必須?
A:地目が「山林」のままでも土地取引なので原則宅建業者が仲介可能ですが、林業会社と直接契約する場合は不要です。
Q:測量図がないと売れない?
A:必須ではありませんが、境界トラブル防止のために買い手が測量を条件にすることがほとんどです。
Q:立木だけ売って、土地は維持できる?
A:可能ですが、再造林義務や景観条例がある地域では伐採後の管理計画が必要です。
まとめ|山林売却は“情報整理”と“専門ルート”が鍵
まず地番・境界・立木量を把握し、複数先に査定を依頼
搬出コストを抑えられる売却先を選ぶと価格が上がる
行き詰まったら専門買取や引取サービスで早期処分も選択肢