土地を安く売却すると、贈与税がかかる?

「固定資産税の書類には評価額が付いているのに、それより安い金額で土地を手放しても大丈夫でしょうか」
土地の処分を検討される方から、このようなご相談をいただくことがあります。
まずお伝えしたいのは、贈与税は、原則として財産を受け取る側にかかる税金です。土地を手放すこと自体に対して課される税金ではありません。そして固定資産税評価額より安い金額で土地を譲るという理由だけで、贈与税が発生するわけではないということです。税務上は、評価額と売買代金の差だけでなく、その土地の「時価」や取引の内容を確認します。
評価額は、その金額で売れることを保証するものではありません
固定資産税評価額は、固定資産税を計算するために一定の基準で決められた価格です。実際に買い手が見つかる価格とは必ずしも一致しません。自治体も、固定資産税の評価額と実際の売買価格を区別して説明しています。
例えば、山林や原野、利用の難しい別荘地などでは、次のような事情が購入希望者の判断に影響します。
道路から入れず、利用や管理が難しい
傾斜や土地利用の制限があり、活用方法が限られる
草刈りや樹木の管理、別荘地管理費などの負担が続く
地域の需要が少なく、長期間売りに出しても買い手が見つからない
このため、評価額が付いていても、実際にはわずかな金額でも売却が難しい土地があります。

低額で譲る場合の判断基準は「時価」です
個人間で財産を著しく安く譲った場合には、時価と売買代金との差額が贈与とみなされ、受け取った側の贈与税の対象になることがあります。
ただし、国税庁は、この判定に用いる土地の時価を「通常の取引価額に相当する金額」としています。固定資産税評価額や相続税評価額との差額を、そのまま贈与額とする仕組みではありません。国税庁「個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき」
つまり、書類上の評価額だけでなく、土地の利用条件や市場性を踏まえて考えることが大切です。
法人への売却では、譲渡所得も確認します
個人が法人へ土地を売却する場合、売買代金が時価の2分の1を下回ると、売主側では時価で売却したものとして譲渡所得を計算するルールがあります。これを「みなし譲渡」といいます。実際に税金が生じるかは、取得費なども含めて判断します。国税庁「時価より低い価額で売ったとき」
ここでも基準になるのは時価です。固定資産税評価額が高いというだけで、直ちに納税が必要になるわけではありません。一方、実際に高い価格で売却できる土地については、事前の確認が必要です。
評価額が付いていることと、その金額で売却できることは別です。 評価額を見て不安になったときは、その数字だけで判断せず、土地の実情と取引条件を合わせて確認しましょう。
個別の税務判断が必要な場合は、契約前に税理士または税務署へ確認をお願いいたします。
