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スマート変更登記とは?住所等変更登記の義務化・検索用情報の申出方法と注意点

執筆者の写真: 一般社団法人日本不動産管財
一般社団法人日本不動産管財
2月24日
読了時間: 23分

更新日:10月3日

2026年4月1日から、不動産の所有権の登記名義人は、住所や氏名・名称の変更日から2年以内に変更登記を申請することが義務化されました。正当な理由なく義務を怠ると、5万円以下の過料の対象となる場合があります。


「スマート変更登記」は、必要な事前手続をすることで、法務局が職権で住所等の変更登記を行う仕組みです。個人の場合は本人の了解を得て順次登記され、変更が即座に反映されるわけではありません。検索用情報の申出と職権登記に登録免許税等の費用はかかりません。


この記事では、スマート変更登記の仕組みから、検索用情報の申出方法、個人・法人それぞれの手続き、注意点、よくある質問まで、不動産所有者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。



目次



1. 住所等変更登記の義務化とは?|2026年4月から何が変わるのか

2026年4月1日から、所有権の登記名義人は住所や氏名・名称の変更日から2年以内に変更登記を申請する義務を負っています。施行前の変更で登記が未了の場合は、2028年3月31日までに対応します。

1-1. 義務化の具体的な内容

住所等変更登記は、2026年4月1日から法的義務となりました。引っ越しや氏名・名称の変更があった場合は、期限と、スマート変更登記のための事前手続が済んでいるかを確認しましょう。

義務化のポイント

■ 対象:不動産の所有権の登記名義人(個人・法人問わず)

■ 期限:住所・氏名等の変更日から2年以内

■ 罰則:正当な理由なく怠った場合、5万円以下の過料

■ 遡及適用:施行日(2026年4月1日)より前の未登記分も対象

■ 過去分の期限:2028年(令和10年)3月31日まで


1-2. 過料が科されるまでの流れ

法務省の方針によれば、義務違反が判明しても即座に過料が科されるわけではありません。まず登記官から所有者に対して是正を促す「催告」(通知)が行われます。この催告に応じて速やかに変更登記を申請すれば、過料を免れることが可能です。

ただし、これはあくまで行政側の運用上の配慮であり、義務そのものが免除されるわけではありません。催告を無視し続ければ、過料の手続きが進められることになります。


1-3. 「正当な理由」とは

正当な理由が認められるかは、登記官が具体的な事情を確認して判断します。住所等変更登記について、法務省の通達が示す例は次のとおりです。相続登記の例と混同しないようにしてください。

正当な理由として認められうるケース

説明

検索用情報の申出・会社法人等番号の登記が済んでいる場合

登記官の職権による住所等変更登記の手続がまだされていない

本人が重病・入院中の場合

手続きを行うことが物理的に困難な状況

DV被害を受けている場合

住所の公開が生命・身体の危険につながる

行政区画の変更等の場合

行政区画の変更等により、登記名義人の住所が変更された

経済的に困窮している場合

手続き費用の負担が著しく困難



2. なぜ義務化されるのか?|所有者不明土地問題の深刻な実態

住所変更登記が義務化される最大の理由は、日本全国で深刻化している「所有者不明土地問題」です。

2-1. 所有者不明土地の現状

所有者不明土地は、登記簿などで所有者が直ちに分からない、または所有者と連絡がつかない土地をいいます。相続や住所等の変更が登記に反映されないと、所有者への連絡や権利関係の確認が難しくなることがあります。

所有者不明土地の発生原因

● 相続登記の未了:亡くなった所有者の名義が登記に残る

● 住所等変更登記の未了:登記簿上の住所等と現在の情報が一致しない

所有者の所在と権利関係を調べるため、相続登記・住所等変更登記の確認が必要になります。


2-2. 所有者不明土地が引き起こす問題

所有者不明土地は、以下のような深刻な社会問題を引き起こしています。

公共事業の停滞:道路建設や河川整備などで用地取得ができず、事業が大幅に遅延します。東日本大震災の復興事業でも、所有者不明土地が大きな障害となりました。

災害復旧の遅れ:災害で被害を受けた土地の復旧・復興において、所有者に連絡が取れないため、がれき撤去すらできないケースが発生しています。

土地の荒廃:管理されない土地が放置され、雑草の繁茂、不法投棄、害虫の発生など、周辺住民の生活環境を悪化させています。

民間取引の阻害:不動産売買において、登記簿上の所有者と連絡が取れず、取引が成立しないケースが増加しています。


2-3. 法改正の全体像

国はこの問題に対処するため、2021年(令和3年)に不動産登記法を改正し、段階的に登記の義務化を進めています。

施行時期

制度内容

概要

2024年4月1日

相続登記の義務化

相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請が必要

2026年2月2日

所有不動産記録証明制度

氏名・住所等の検索条件に合う所有権の登記名義人の不動産を一覧にする

2026年4月1日

住所等変更登記の義務化

住所・氏名の変更日から2年以内に変更登記の申請が必要

2026年4月1日

スマート変更登記

法務局が職権で住所等変更登記を行う新制度



3. スマート変更登記とは?|制度の概要と仕組み

「スマート変更登記」は、個人の検索用情報の申出や法人の会社法人等番号の登記を前提に、法務局が職権で住所等変更登記をする仕組みです。2026年4月1日に制度が施行されました。本人確認や情報照会を経て順次行われるため、申出の直後に登記が変わるものではありません。

3-1. 従来の変更登記との違い

比較項目

従来の変更登記

スマート変更登記

申請主体

所有者本人が申請

法務局が職権で実施

手続き

法務局への申請書提出が必要

本人の了解を経て順次登記(個人)

費用

登録免許税(不動産1個あたり1,000円)+司法書士報酬

登録免許税等は無料。郵送・書類取得・専門家報酬等は別

タイミング

引っ越し等のたびに毎回申請

申出後、照会・確認を経て順次登記

住所の確認方法

所有者が住民票等を取得して証明

法務局が住基ネットに照会

義務違反リスク

申請忘れで過料の可能性あり

申出済みなら義務違反にならない


3-2. スマート変更登記の仕組み(個人の場合)

個人の場合、法務局が検索用情報を使って住基ネットに照会し、住所等の変更を確認します。変更登記をしてよいか本人に確認し、了解を得た上で順次登記する仕組みです。

ステップ1|不動産所有者が、事前に「検索用情報の申出」を行い、氏名・住所・生年月日・メールアドレス等を法務局に提供します。

ステップ2|法務局が、提供された検索用情報をシステムに記録します。

ステップ3|法務局が、定期的に住基ネットに照会し、住所等の変更の有無を確認します(2年に1回程度)。

ステップ4|住所等の変更が確認された場合、法務局から所有者のメールアドレスに「変更登記をしてよいか」の確認メールが送信されます。

ステップ5|所有者が「変更登記をしてよい」と回答すると、法務局の登記官が職権で変更登記を実行します。


3-3. スマート変更登記の仕組み(法人の場合)

法人の場合は、個人とは異なり「会社法人等番号」を活用した仕組みとなります。所有権の登記に会社法人等番号が記録されていれば、商業・法人登記システムとの情報連携により、自動的に住所等の変更が反映されます。

ステップ1|商業・法人登記上で本店住所や法人名称の変更登記が行われます。

ステップ2|変更情報が会社法人等番号をキーとして、不動産登記のシステムに自動的に通知されます。

ステップ3|通知を受けた法務局の登記官が、職権で不動産登記上の住所等の変更登記を順次実行します。

法人の場合は個人と異なり、本人確認のメール送信は不要で、システム間の情報連携によって自動的に処理されるのが特徴です。



4. スマート変更登記のメリット6つ

メリット1:変更登記の申請手続きが不要になる

検索用情報の申出を済ませると、法務局による照会と本人への確認を経て、職権で変更登記が行われます。売却などで急いで住所等を更新する必要がある場合は、別途自分で変更登記を申請します。

メリット2:申出・職権登記の登録免許税等がかからない

通常の住所変更登記では、不動産1個あたり1,000円の登録免許税が必要です。例えば、土地と建物の2つの不動産を所有している場合は2,000円、さらに複数の物件を持っていれば数千円から数万円の費用がかかります。スマート変更登記では、この登録免許税が一切かかりません。

メリット3:司法書士への依頼費用も節約できる

職権による変更登記なら、その都度、通常の変更登記を依頼する手間を減らせます。ただし、検索用情報の申出などを専門家に依頼する場合は、報酬や実費が別に生じることがあるため、依頼先に確認してください。

メリット4:義務違反のリスクがなくなる

検索用情報の申出を済ませておけば、その後の住所等変更に関しては法務局が対応するため、2年以内の申請期限を忘れて義務違反に問われる心配がなくなります。

メリット5:法務局の確認により登記情報が更新される

登記情報が更新されるまでには、照会と本人の了解などの手続が必要です。売却や抵当権の抹消などを予定している場合は、現在の登記内容を確認し、未更新であれば自分で変更登記を申請します。

メリット6:相続人の手続き負担が軽減される

登記簿上の住所と最終住所が一致していれば、住所のつながりを確認する負担が軽くなる場合があります。ただし、相続登記に必要な書類は個別の登記記録と相続関係によるため、登記が更新されているかと、必要書類を法務局に確認してください。



5. スマート変更登記の対象者と利用条件

5-1. 個人の場合

個人がスマート変更登記を利用するには、以下のすべての条件を満たす必要があります。

条件

内容

補足

自然人であること

個人であること(法人は別の手続き)

外国籍の方も利用可能

住基ネットに登録されていること

日本国内の自治体に住民票の登録があること

住民票の登録が必須

日本国内に住所があること

登記すべき住所が日本国内であること

海外居住者は利用不可

所有権の登記名義人であること

登記簿上の所有者として記録されていること

共有者も各自申出が必要


利用できない方

● 海外に居住する日本人 … 住基ネットでの照会ができないため、従来どおり自ら変更登記の申請が必要です

● 会社法人等番号のない法人:スマート変更登記の対象外。住所・名称等を変更した場合は自ら変更登記を申請


5-2. 法人の場合

法人がスマート変更登記を利用するには、所有権の登記に「会社法人等番号」が記録されている必要があります。会社法人等番号を持つ法人(株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人等)は、商業・法人登記システムとの連携により自動的に変更登記が行われます。

会社法人等番号が所有権の登記に記録されていない法人は、「会社法人等番号の申出」を行うことで、スマート変更登記の対象となります。



6. 【個人向け】検索用情報の申出方法を徹底解説

検索用情報の申出は、2025年4月21日から受け付けられています。氏名の振り仮名は、外国人の場合は原則ローマ字氏名です。2026年10月5日以降の申出では国籍等も追加されるため、最新様式を確認してください。

6-1. 検索用情報として提供する情報

項目

必須/任意

登記簿への記載

補足

氏名

必須

記載あり

登記簿に記載される

氏名のふりがな

必須

記載なし(外国人のローマ字氏名は氏名に併記して記録)

照会に使用(外国人は原則ローマ字氏名)

住所

必須

記載あり

登記簿に記載される

生年月日

必須

記載なし

住基ネット照会に使用

メールアドレス

任意

記載なし

法務局からの確認連絡に使用


メールアドレスについて

メールアドレスの提供は任意ですが、登録することを強くお勧めします。メールアドレスを登録しない場合、法務局からの確認連絡は書面で届くため、時間がかかります。

また、必ず本人専用のメールアドレスを登録してください。共有のメールアドレスでは、第三者が勝手に法務局からの連絡に対応してしまうリスクがあります。

通知メールの送信元は、登記・供託オンライン申請システムの正式な案内で確認してください。

メール内のリンクを開く前に、送信元や内容を確認しましょう。

必要に応じて、正式な案内で確認した送信元の受信設定を見直してください。


6-2. 申出方法①:登記申請との同時申出

2025年4月21日以降に新たに不動産を取得する場合(所有権保存登記・所有権移転登記等を申請する場合)は、登記申請書に検索用情報を併せて記載して提出します。

登記申請書に必要な検索用情報を併せて記載します。司法書士に依頼している場合は、申出内容と必要書類を確認してください。2026年10月5日以降の申出では国籍等も必要になります。


6-3. 申出方法②:単独申出(既に不動産を所有している方)

2025年4月21日時点で既に不動産の所有者として登記されている方は、登記申請とは別に、検索用情報の単独申出を行うことができます。

オンラインでの申出方法

ステップ1:法務局の「かんたん登記申請」ページにアクセスします

ステップ2:手続の種別として「検索用情報の申出」を選択します

ステップ3:画面の案内に従い、生年月日、メールアドレス、不動産の地番等の情報を入力します

ステップ4:身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)の写しをアップロードします

ステップ5:内容を確認して送信します

オンライン申出のメリット

● 電子証明書が不要(かんたん登記申請を利用する場合)

● 押印・電子署名が不要

● Webブラウザ上で手続きが完結

● 費用は無料

● 管轄の異なる複数の不動産をまとめて申出可能


書面での申出方法

法務局のホームページから申出書の様式をダウンロードし、必要事項を記入して不動産を管轄する法務局に提出します。管轄の異なる複数の不動産を所有している場合は、いずれかの不動産を管轄する法務局にまとめて提出することも可能です。


6-4. 単独申出に必要な添付書類

書類

詳細

身分証明書の写し

運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等(本人確認のため)

氏名・住所等の変更経緯を証する書面(確認できない場合)

住基ネットで変更経緯を確認できない場合は、戸籍の附票などを追加提出。2026年10月5日以降は国籍等を証する情報も必要

委任状(代理人が申出する場合)

司法書士等に依頼する場合に必要

同時申出では、氏名の振り仮名(外国人は原則ローマ字氏名)や生年月日などを証する情報が必要です。登記申請の住所証明書等で兼ねられる場合は、追加書類は生じません。2026年10月5日以降は国籍等を証する情報も必要になるため、最新の様式と添付情報を確認してください。



7. 【法人向け】会社法人等番号の登記による利用方法

法人がスマート変更登記を利用するためには、所有権の登記に「会社法人等番号」が記録されている必要があります。

7-1. 会社法人等番号が既に登記されている場合

会社法人等番号は、2024年4月1日以降にする所有権の登記の申請で登記事項となりました。所有権の登記に会社法人等番号が記録されているか、登記事項証明書などで確認してください。記録されていれば特別な手続は不要で、商業・法人登記上の住所等の変更に応じて、職権で順次変更登記されます。既に変更があり、2026年5月15日より前に会社法人等番号が登記されていた場合は、同日以降順次登記されます。


7-2. 会社法人等番号が未登記の場合

所有権の登記に会社法人等番号が記録されていない場合は、オンラインまたは書面で「会社法人等番号の申出」を行うことができます。取得日だけで判断せず、登記記録を確認してください。

この申出は、オンラインまたは書面で行うことができます。自社の所有不動産について会社法人等番号が登記されているかどうかは、登記事項証明書を取得して確認できます。所有者欄に会社法人等番号が記載されていなければ、申出が必要です。



8. スマート変更登記の流れ|申出から変更登記完了まで

8-1. 個人の場合の全体フロー

STEP 1:検索用情報の申出

所有者が氏名・住所・生年月日・メールアドレス等を法務局に申出

STEP 2:システムへの記録

法務局が申出内容をシステムに記録

STEP 3:住基ネットへの定期照会

法務局が定期的に(2年に1回程度)住基ネットに照会し、住所等の変更を確認

STEP 4:本人への確認メール送信

変更が確認された場合、登録メールアドレスに確認メールを送信

STEP 5:本人からの回答

所有者が「変更登記をしてよい」と回答

STEP 6:職権による変更登記

法務局の登記官が職権で変更登記を実行


8-2. 法人の場合の全体フロー

法人の場合は、個人と比べてシンプルな流れとなります。商業・法人登記上で本店住所や法人名称の変更が行われると、会社法人等番号をキーとして不動産登記システムに自動通知され、個人のような本人確認メールのやり取りなしに、順次変更登記が行われます。



9. スマート変更登記の注意点・デメリット8つ

注意点1:申出をした不動産のみが対象

検索用情報の申出の対象は、申出をした不動産です。同時申出では登記申請した不動産だけが対象になるため、ほかの所有不動産に申出が済んでいるか確認します。共有者は各自で申出が必要です。

注意点2:住基ネットの照会頻度は「2年に1回程度」

法務局が住基ネットに照会する頻度は「2年に1回程度」とされており、住所変更が即座に登記に反映されるわけではありません。急ぎで登記を更新する必要がある場合(不動産売却時など)は、従来どおり自ら変更登記を申請する方が確実です。

注意点3:本人の了承が必要

法務局は住所等の変更を確認した後、所有者にメール(またはメール未登録の場合は書面)で「変更登記をしてよいか」を確認します。この確認に回答しなければ、変更登記は行われません。法務局からのメールを見落とさないよう注意が必要です。

注意点4:海外居住者は利用できない

海外に居住している方は、住基ネットでの照会ができないため、スマート変更登記の対象外です。住所等に変更があった場合は、従来どおり自ら変更登記の申請を行う必要があります。

注意点5:DV被害者等への配慮が必要

個人の職権登記は本人の了解を得て行われます。DV被害などで現在の住所の公示に支障がある方は、回答や申請をする前に法務局へ相談してください。

注意点6:所有権の登記名義人以外は利用できない

スマート変更登記の対象は「所有権」の登記名義人に限られます。抵当権者や地上権者など、所有権以外の権利の登記名義人は対象外です。

注意点7:既存の住所不一致は申出内容と急ぎの手続を確認する

登記簿上の住所が古いままでも、単独申出には現在の住民票上の住所を記載します。本人の了解を得て順次変更されますが、住基ネットで変更の経緯を確認できない場合は、戸籍の附票などが必要です。売却などで急ぐ場合は、別途通常の変更登記を申請してください。

注意点8:実際の手続開始時期と最新様式を確認する

2026年10月3日に確認した法務省の利用案内(9月30日更新)では、2026年度の個人のスマート変更登記は、2026年3月31日までに法務局で検索用情報の登録が完了した方が対象です。このうち住所等の変更が確認された方には、意思確認通知が2026年12月中旬以降、順次送られます。複数の不動産を所有していて一部の登録が2026年4月1日以降になった場合、2026年度の対象は2026年3月31日までに登録が完了した不動産のみです。2027年度以降の対象者や意思確認通知の送付時期は、決まり次第案内されます。法人は所定の条件に応じて順次登記されます。制度の施行日と、実際の登記完了時期を区別し、最新の案内を確認してください。



10. 今すぐ確認すること|チェックリスト

住所等変更登記の義務に対応するため、次の項目を確認しましょう。

☐ 所有不動産の確認

固定資産税の課税明細書や登記関係書類から、所有不動産を確認します。所有不動産記録証明書も利用できますが、検索条件や登記状況によって漏れる場合があるため、手元資料や名寄帳などと照合してください。

☐ 登記簿上の住所確認

現在の住所・氏名と登記簿上の表示を照合します。2026年4月1日より前の未登記の変更は2028年3月31日まで、施行後の変更は変更日から2年以内が期限です。検索用情報の申出など、負担軽減の手続も確認してください。

☐ 検索用情報の申出

既にスタートしている「検索用情報の申出」を済ませましたか?オンライン(かんたん登記申請)から無料で手続きできます。

☐ メールアドレスの準備

法務局からの確認メールを受信するためのメールアドレスを準備しましたか?本人専用のアドレスが必要です。

☐ 迷惑メール設定の確認

登記・供託オンライン申請システムの正式な案内で、通知メールの送信元と受信設定を確認しましたか?

☐ 法人の場合の確認

会社法人等番号が所有権の登記に記録されていますか?未記録の場合は「会社法人等番号の申出」が必要です。



11. スマート変更登記と相続登記義務化の関係

スマート変更登記は、2024年4月に先行してスタートした「相続登記の義務化」と密接に関連しています。どちらも所有者不明土地問題の解消を目的とした一連の法改正であり、不動産の所有者情報を常に最新に保つための「両輪」として機能します。

11-1. 相続登記義務化との比較

比較項目

相続登記の義務化

住所変更登記の義務化

施行日

2024年4月1日

2026年4月1日

対象

相続で不動産を取得した相続人

住所・氏名に変更があった所有者

期限

相続でその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内

変更日から2年以内

過料

10万円以下

5万円以下

負担軽減策

相続人申告登記

スマート変更登記

遡及適用

あり

あり


11-2. スマート変更登記は相続手続きにも好影響

相続登記では、被相続人の登記簿上の住所と最終住所とのつながりなどを確認します。登記が更新されていれば負担が軽くなる場合がありますが、スマート変更登記の申出だけで、相続登記の必要書類が一律に不要になるわけではありません。



12. 住所変更登記を自分で行う場合の手続きと費用

スマート変更登記を利用せず、従来どおり自分で住所変更登記を行う場合の手続きと費用についても確認しておきましょう。

12-1. 自分で手続きする場合の必要書類

書類

取得先

費用の目安

登記申請書

法務局ホームページからダウンロード

無料

住民票の写し

市区町村役場

自治体の手数料を確認

戸籍の附票(住所変更の履歴が必要な場合)

本籍地の市区町村役場

自治体の手数料を確認

登録免許税(収入印紙)

法務局、郵便局等

不動産1個あたり1,000円


12-2. 費用の比較

手続き方法

登録免許税

司法書士報酬

その他費用

合計の目安

自分で手続き

1,000円/不動産1個

なし

住民票等の取得費用

登録免許税と必要な実費

司法書士に依頼

1,000円/不動産1個

依頼先に確認

住民票等の取得費用

登録免許税・報酬・実費を確認

スマート変更登記

無料

依頼する場合は報酬を確認

書類取得・郵送等の実費が生じる場合がある

申出・職権登記の登録免許税等は無料



13. 不動産の処分にお困りの方へ|日本不動産管財のご案内

住所変更登記の義務化をきっかけに、「そもそもこの不動産を持ち続ける必要があるのか」と考える方も少なくありません。特に、相続で取得した山林や別荘地、原野など、活用の見込みがない不動産は、保有しているだけで固定資産税や管理費の負担が続きます。

こんなお悩みはありませんか?

● 相続した山林や別荘地の処分方法がわからない

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当社団では、処分困難な不動産についてお悩みのご相談者様が、まず現状と選択肢を把握できるよう、各種公的資料や不動産情報を基に初期調査を無料で行っております。判断材料を提示し、ご相談者様の意思決定を支援いたします。



14. よくある質問(FAQ)

Q1. スマート変更登記の利用に費用はかかりますか?

検索用情報の申出と、法務局が職権で行う変更登記には登録免許税等の費用はかかりません。ただし、郵送や証明書取得の実費、専門家へ依頼する報酬などは別に確認してください。

Q2. 検索用情報の申出に電子証明書は必要ですか?

本人が「かんたん登記・供託申請」で検索用情報を単独で申し出る場合、電子証明書や電子署名は不要です。多くの場合、本人確認書類の写しを添付しますが、住所等の変更経緯を確認する書類が追加で必要になる場合があります。2026年10月5日以降は国籍等の情報・証明にも注意してください。

Q3. 既に登記簿上の住所と現住所が異なっている場合はどうすればいいですか?

単独申出には、現在の住民票上の住所を記載します。登記簿上の古い住所とのつながりを住基ネットで確認できない場合は、戸籍の附票などが必要です。本人が了解すれば順次変更されますが、売却などで急ぐ場合は、別途通常の変更登記を申請してください。

Q4. マンションの場合、土地と建物の両方について申出が必要ですか?

マンションは敷地権の登記の有無を確認してください。敷地権付き区分建物では、敷地権の権利関係も区分建物の登記で公示されます。建物とは別に土地の持分を登記している場合などは、その土地も含めて申出対象を確認します。申出書に記載する不動産の表示は、登記記録をもとに法務局へ確認してください。

Q5. 共有名義の不動産の場合はどうなりますか?

共有者それぞれが自身の持分について検索用情報の申出を行う必要があります。一人の共有者が申出をしても、他の共有者の分は対象になりません。

Q6. 法務局からの確認メールに回答しなかった場合はどうなりますか?

本人の了解がなければ職権による変更登記は行われません。一方、検索用情報の申出を済ませた国内居住者は、職権登記が未了であることだけで義務違反に問われるわけではありません。現在の登記内容と、売却などの予定に応じた対応を確認しましょう。

Q7. 検索用情報の申出をした後に、メールアドレスを変更したい場合は?

申出時に法務局から送信される完了メールに記載された「認証キー」を使って、メールアドレスの変更手続きを行うことができます。認証キーは大切に保管してください。

Q8. 住所変更登記の義務化は、2026年4月1日より前に引っ越した場合も対象ですか?

はい、対象となります。施行日前に住所等を変更し、まだ変更登記をしていない場合は、2028年(令和10年)3月31日までに変更登記を行う必要があります。

Q9. 結婚や離婚で氏名が変わった場合も対象ですか?

住所だけでなく氏名・名称の変更も対象です。原則として変更日から2年以内に対応します。個人のスマート変更登記では、法務局の照会と本人の了解を経て、順次、氏名等の変更も登記されます。

Q10. 相続登記をまだしていない不動産がある場合は?

相続人は、相続登記(所有権の移転の登記)の申請書に検索用情報を併せて記載して申し出ます。相続登記が済むまでは、相続人の名義でスマート変更登記の対象にはなりません。



15. まとめ

2026年4月1日から住所等変更登記が義務化されました。スマート変更登記のための事前手続を行い、登記情報が更新されるまでの期間や、急いで自ら申請する必要がある場合も確認しておきましょう。

この記事の要点

● 2026年4月1日から住所等変更登記が義務化。正当な理由なく義務を怠ると5万円以下の過料の対象となる場合がある

● 個人のスマート変更登記は、法務局の照会と本人の了解を経て順次実施

● 利用には事前の「検索用情報の申出」が必要(2025年4月21日から受付中)

● 個人はオンラインまたは書面で申出可能(電子証明書不要・押印不要)

● 法人は「会社法人等番号の登記」で対応

● 海外居住者は利用不可(従来どおり自ら申請が必要)

● 既存の住所不一致も現在の住所で単独申出できる。急ぐ場合は通常の変更登記を申請

● 申出をした不動産のみが対象(全不動産について申出を忘れずに)


まず、現在の登記内容と検索用情報の申出が済んでいるかを確認してください。単独申出はWebブラウザでもできます。期限が近い場合や売却などを予定している場合は、法務局や司法書士へ必要な対応を確認しましょう。

不動産を持ち続ける負担と、手放す方法を比較する場合は、所在地・登記内容・管理費など分かっている情報を整理しておきましょう。



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